両立支援助成金から見た働き方  佐々木香里

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 両立支援助成金から見た働き方  佐々木香里

「新しい時代の働き方に関する研究会報告書」が厚生労働省から公表されました。

当研究会の目的は、「働き方や職業キャリアに関するニーズ等を把握しつつ、新しい時代を見据えた労働基準関係法制度の課題を整理すること」とされています。報告書には、企業に期待することとして、「働く人が幸せな職業人生を実現するために、ライフスタイルや人生設計とのバランスを意識しつつ、主体的に能力開発とキャリア形成に取り組むことが必要である」とあります。

また、働く人に期待することは、「自らのライフスタイルや人生設計とのバランスを意識しつつ、働き方を自ら選択し、自由で豊かな発想や創造性・専門性をもって働き、自発的にキャリア形成することが重要である」とあります。
育児や介護、病気療養中であっても、働き続けることができる環境であること。そして企業と働く人の両社共に能力開発とキャリア形成に取り組むことが必要であると言っています。

そこで、両立支援助成金の介護離職防止支援コースと育児休業等支援コースをご紹介します。この助成金は、介護・育児による退職を防止するため、就業環境整備に取り組む事業主に対して支給することを目的としています。

介護離職防止支援コースでは、対象者と面談後「介護支援プラン」を作成し、業務の引継ぎ等を実施します。育児介護休業等支援コースでは、対象者と面談後「育休復帰支援プラン」を作成し、業務の引継ぎを実施します。さらに、育児休業中に職場の情報を提供し、職場復帰前と職場復帰後に面談を行う必要があります。

 面談では、働き方の希望や業務面で周囲に配慮してほしいこと、業務の引継ぎの方法などを聞き取ります。面談で取り決めた内容を元に支援プランを作成し、職場と休業する労働者で情報を共有します。
休業することで起こる職場への影響に対する不安、仕事と育児・介護を両立できるかの不安、復帰後の仕事に対する不安を面談の機会を設けることで軽減できるのではないでしょうか。

 また、引継ぎを明確にすることで職場全体の業務効率化に繋がり、快く休業に送り出すことができます。制度の詳細は、各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)へお問い合わせください。
企業を取り巻く環境の変化、労働市場の変化、働く人の意識の変化に、企業は対応していかなければいけません。
企業と働く人が目に見える形式でコミュニケーションを図ることで、長期的に働くことが可能な環境を作り、その中で能力開発・キャリア形成に取組むことが求められています。

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