茨城県介護支援専門員協会 「つながるシート」開発
茨城県介護支援専門員協会(赤荻栄一会長)は、ケアマネジャーが医療職などとの連携を図りやすくなる「つながるシート」を開発し、同協会ウェブサイトで公開している。
相談できる専門職、各団体が紹介も
同協会・浅野有子副会長は、つながるシート作成の背景について「当協会は、県からケアマネの各法定研修実施を受託しているが、研修の持ち寄り事例でも利用者の医療ニーズへの対応や医療職との連携に、課題や苦手意識を感じているケースが散見されていた」と説明する。2018年度から2年間、県の補助を受けながら、ケアマネジメントプロセス改善を目的とした調査研究事業を実施。そのうちの一つが、ケアマネのアセスメントに医療専門職を同行派遣する試行事業だ。
例えば、ポリファーマシーの疑いがある利用者には薬剤師、発語や嚥下機能が低下している利用者には言語聴覚士が同行する。各専門職が同行することにより、口腔内に麻痺があることを発見したり、すき間時間に深呼吸をしてもらうことで肺機能を高めて誤嚥リスクを軽減したりするなどの支援に繋がったという。「連携が図られることで、ニーズがより具体化・明確化されたり、ケアマネジメントプロセス全体に良い変化があらわれることが明らかになった。2年目の事業最終年度、どのような成果物にまとめるかを検討したところ、事例集などではなく、ケアマネの連携を取りやすくしたり深められるツールを作ろうと、つながるシートの開発が決まった」(浅野副会長)
また県内では研修や後輩への指導の際にも、アセスメントの抜け漏れや他職種との連携の必要性に気づいてもらうため、つながるシートが紹介されたり、活用されることもある。「つながるシートは、手元にある主治医意見書や認定調査表の情報でチェックを始められるので取り組みやすい。忙しい現場では『とにかく早くプランをつくらなければ』と余裕がないかもしれないが、自身のケアマネジメントを振り返り、必要な専門職と連携を深めるきっかけにしてほしい」と浅野副会長は活用を呼び掛ける。