介護ロボット・ICT導入支援事業 各自治体での募集開始

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介護ロボット・ICT導入支援事業 各自治体での募集開始

 科学的介護の実現や、職員の負担軽減・生産性向上を実現するため、介護ロボットやICTの導入が加速している。介護施設では見守り機器を活用した入居者の転倒予防や夜間の睡眠確保・職員の負担軽減などに取組んでいる。しかし、介護ロボットやICTの導入は費用的コストが高いことから補助金を活用して導入する事業所が多い。厚生労働省では介護現場での介護ロボットやICT導入を推進するため各種取り組みを実施している。今回は、都道府県により申請時期の異なる地域医療介護総合確保基金を活用した補助事業の最新動向について解説する。

 地域医療介護総合確保基金の「介護ロボット導入支援事業」として▽介護ロボットに30万円/台(移乗、入浴支援機器は100万円/台)助成▽Wi-Fi工事やインカム導入など通信環境整備に750万円助成▽1事業所当たり必要台数を補助――を行う。

 また、2020年度からは新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、職員体制の縮小や業務負担が増加している現状を踏まえ、職員の負担軽減や業務効率化を目指し▽見守りセンサーなどの導入時に、情報を介護記録にシステム連動する情報連携ネットワークの構築経費を対象に追加▽一定の要件を満たす事業所は補助率を4分の3を下限に都道府県の裁量で設定――と対象拡充・補助率の引き上げをした。

 補助率については、通常50%以上のところを「インカム、見守り機器、介護ソフト等の複数機器を導入して、職員の負担軽減を図りつつ、人員体制を効率化」させた場合には75%以上の傾斜的な助成が行われる。

記録から請求まで一気通貫のシステム導入などを補助

 「ICT導入支援事業」では、業務支援システムやタブレット、スマートフォン、インカム、Wi-Fi導入などを対象に、施設規模に応じて100~260万円まで助成される。

 補助要件は▽LIFEによる情報収集・フィードバックに協力▽多事業所からの照会に対応▽導入計画の作成、導入効果報告(2年間)▽中小企業自らが、「SECURITY ACTION」(実施団体:IPA)の「★一つ星」または「★★二つ星」を自己宣言し、情報セキュリティ対策に取り組むこと――など。

 補助率は通常50%だが▽LIFEのCSV連携仕様を実装した介護ソフトでデータ登録を実施▽ICT導入計画で文章量を半減▽ケアプランデータ連携システムの利用」――などの要件を満たす場合には75%以上が助成される。

 現在、介護ロボット、ICT関連の補助金を実施している自治体は▽新潟県▽千葉県▽山梨県▽長野県▽岐阜県▽石川県▽三重県▽広島県▽宮崎県――など(7月4日時点)。例年の傾向として今月以降、募集を開始する自治体が増加していく。

 エビデンスに基づく科学的介護の推進や、LIFE運用、人材不足による業務負担軽減など様々な課題解決の一助としての活用が期待される。

(シルバー産業新聞2022年7月10日号)

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