無塩ドットコム　減塩商品２００種類超　調味料、保存食も豊富

　会員数は延べおよそ１０万人。高血圧などの生活習慣病が気になる５５歳以上の人が多く、６０歳以上の人が半数以上を占める。「最近はパソコンがなくても、スマホから注文する高齢者が増えている」と秋月社長。

　同社が法人化したのは２０１６年。当時、共同創業者の岡本覚さんが腎臓病のため透析を受けており、減塩商品を使用していたが、一括で手に入る場所がなく、複数の店舗やウェブサイトで購入しなければならなかった。そのため、多くの人が同じ問題を抱えていると考えたのが、同サイトを立ち上げたきっかけだという。

　取扱商品は、展示会や社内での試食などを経て厳選し、掲載する。

　創業のもう一つのきっかけは、減塩食品の流通が少なかったこと。スーパーなどの店舗では、よく売れる通常商品が置かれてしまう。減塩商品はなかなか売れず、すぐに販売中止になり定着しない。「ニーズはあるが、通常商品の５分の１ぐらいしか売れないとの話もある」と秋月社長は語る。

　そのような状況を受け同社では、自社ブランド「塩ぬき屋」を立ち上げ、オリジナルの減塩商品を開発・販売。食塩無添加のカレーやドレッシング、梅干しなど特徴的な商品も取り揃える。

　また、低たんぱく質の調味料などもあり、高血圧だけではなく腎臓に病気を持つ人も活用できる。オリジナル商品の多くは国産素材を使用し、化学調味料や着色料、添加物はほとんど使用していない。

　このほか、同サイトでは減塩の基礎知識や高血圧、腎臓病との関連性などを「減塩コラム」で発信。料理研究家によるレシピ集も公開している。「減塩しながらも美味しく食べる方法など食事のコツも発信している」（秋月社長）

（シルバー産業新聞２０２３年１０月１０日号）