蓮田市 ご近所型介護予防で継続参加
蓮田市は、2015年から住民が運営主体となって運動を行う、ご近所型介護予防「はすぴぃ元気体操」に取組んでいる。これまで同市が取組んだ介護予防事業は、一次予防では1回で終了の運動教室、二次予防では3カ月間限定の教室のみで、事業終了後の継続した支援のありかたに課題を感じていた。
市オリジナルの同体操はおもりを使った体操で、認知症の人でも介護が必要な人でも取り組めるプログラムになっている。①腕を前に上げる(座)②腕を横に上げる(座)③椅子から立ち上がる④膝を伸ばす⑤脚を後ろに上げる(立)⑥脚を横に上げる(立)――を8秒かけて、ゆっくり動かしてゆっくり戻す筋力トレーニング。1本200gのおもりは、その日の体調に合わせて1~6本で調整できる。
同市は埼玉県理学療法士会と連携し、介護予防サポーター「はすぴぃスマイルフィット(介護予防ボランティア)」の養成、定期的な体力測定などを実施する。
「はすぴぃ元気体操」は研修を受講したサポーターが中心となり、活動している。研修は理学療法士が講師となり、運動方法を提供するほか、参加者へのサポート方法(認知症の知識、参加者への声かけの仕方など)を学ぶ。これまで267人を養成した。
「はすぴぃ元気体操」は「毎週1回、同じ曜日、同じ時間」の開催が基本になることで、介護予防をきっかけとした地域でのつながり・支え合いに発展することが期待される。通いの場では、参加者各自が体調チェックシートや運動記録用紙に、「今日は楽に動けた」などの感想や、おもりの本数などを記入する。積み重ねることで、自分の変化に気づくとともに、筋力アップを体感できる。「はすぴぃ元気体操」は現在、37カ所(コロナで活動休止中のグループも含む)で実施され約600人が参加する。
健康福祉部在宅医療介護課の川島紀乃氏(保健師)は「コロナ禍の活動中止により、地域住民同士の関わりが減少したり、体力が減ったりした人も多かったが、活動再開により地域住民同士の交流が増え、体力も改善したとの声が聞かれた。今後も現在活動しているグループを支援しながら、サポーターの養成と新規グループの立ち上げに取組み、住み慣れた地域で長く元気に暮らせることを目指していきたい」と話す。