共働き夫婦の子の扶養認定基準/西谷直子(連載179)
厚生労働省から「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」という通知、いわゆる共働き夫婦の子の扶養認定に関する新基準が今年の4月30日付けで出ています。
1.夫婦ともに被用者保険の被保険者の場合
(2)夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。
(3)夫婦の双方またはどちらか一方が共済組合の組合員であって、その者に対し被扶養者に係る扶養手当またはこれに相当する手当(以下「扶養手当等」)の支給が認定されている場合には、その認定を受けている者の被扶養者として差し支えない。扶養手当等の支給が認定されていないことのみを理由に被扶養者として認定しないことはできない。
(4) 被扶養者として認定しない保険者等は、当該決定に係る通知を出す。
2.夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合
3.主として生計を維持する者が健康保険法に定める育児休業等を取得した場合
4.年間収入の逆転に伴い被扶養者認定を削除する場合
なお、収入に関し、夫婦双方の年間収入を確認する場合において、新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の方の収入の取扱いに時限的特例があり、「21年の新型コロナウイルスワクチン接種業務については、例年にない対応として、期間限定的に行われるものであり、また、特にワクチン接種業務に従事する医療職の確保が喫緊の課題となっているという特別の事情を踏まえ、医療職がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入については、収入確認の際には収入に算定しない」とされています。
収入確認の特例の対象者は、ワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士)で、対象となる収入は、21年4月から22年2月末までのワクチン接種業務に対する賃金です。
また、年間収入の考え方も変更されていますので、ご注意ください。