冬季の労災事故
冬季は、凍結や降雪等による転倒や交通事故が増える季節です。また、高年齢労働者にとっては身体機能の低下等による労働災害の発生リスク、日没が早くなることによる視力低下、ヒートショックを発症する可能性が高くなります。
事故防止対策
冬季の労災事故防止対策の一例をご紹介します。転倒防止対策として、▽床等の水たまりや氷は放置せず、都度除去するとともに、水が溜まりやすい箇所にマット等を敷く▽滑りにくい靴底の靴を履く▽ポケットに手を入れたり「ながら歩き」をしない――など。
交通事故防止対策として、▽冬用タイヤの装着▽スリップ防止のための急ハンドル、急ブレーキ急発進を行わないなどの安全運転教育を実施する――などがあります。
労災事故の手続き
労災事故があったときは、労災指定医療機関であるか確認してください。労災指定医療機関の場合は、様式第5号(通勤:様式第16号の3)を病院に提出することで療養を受けることができます。
労災指定医療機関以外の場合は、病院の窓口で療養費を立て替えて支払い、様式第7号(通勤:様式第16号の5)と病院に支払ったことが分かる領収書等を労働基準監督署に提出することでその費用を受けることができます。
会社の近くにある労災指定医療機関から、自宅の近くにある労災指定医療機関に変更するなど、労災指定医療機関を変更する場合は、様式6号(通勤:第16号の4)を変更後の労災指定医療機関に提出します。
療養のため休業し賃金を受けられないときは、休業4日目から休業(補償)等給付を受けることができます。
様式第8号(通勤:様式第16号の6)、様式第9号:平均給与額証明書、様式第38号:特別給与に関する届けを労働基準監督署に提出することで休業1日につき基礎日額の60%相当額を受けることができます。
給付日額は、事故が発生した日または医師の診断によって疾病の発生が確定した日(賃金締切日が定められているときは、その日の直前の賃金締切日)の直前3カ月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額(ボーナスや臨時に支払われる賃金を除く)を、その期間の暦日数で割った、1日当たりの賃金額です。
1~3日目は労災保険から給付されないため、業務災害の場合は労働基準法で定める平均賃金の60%を事業主が直接労働者に支払う必要があります。
また、休業4日以上の業務災害の場合は様式第23号労働者死傷病報告書を提出してください。様式は厚生労働省のホームページからダウンロードが可能です。
労災防止の対策をし、労災事故のない1年にしましょう。