ねんりんピック新聞 2023 in 愛媛 インタビュー

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ねんりんピック新聞 2023 in 愛媛 インタビュー

自転車が愛媛の新文化を切り拓く四国を「サイクリングアイランド」に大会会長 愛媛県知事 中村時広氏

 愛媛はサイクリングを活用した健康増進や社会参加、観光誘致に取組む全国随一の県。しまなみ海道のサイクリング大会、イベントの開催や、さらに誰もが安心・安全にサイクリングを楽しむための環境づくりは四国全域に広がりつつある。中村時広愛媛県知事は、年齢を問わず誰もが参加できるサイクリングの魅力を自ら体験・証明し、「自転車新文化」を県内外に発信し続けている。

 ――県の活性化としてサイクリングに注目したきっかけは。
 前職の松山市長のときから、自転車を「移動手段」から「まちづくり」へと活用する方法を考えていました。松山は降雨量が少なく温暖、平地が多く、自転車がマッチする条件が整っています。当時は、環境配慮型の取組が一気に脚光を浴びてきた時代でもありました。
 県知事になってからは、その考えがさらに発展し、まず切り口としたのが健康寿命の延伸でした。誰もが参加しやすいジョギングも候補でしたが、膝への負担が大きく、移動距離や活動面積が限られてしまいます。自転車はこのデメリットを補うことができます。

 そして、今治市~広島県尾道市を結ぶしまなみ海道をどう最大限に活かすかを考えたとき、行き着いたのがサイクリング、つまり移動手段だけではなく、娯楽やスポーツを含めた自転車の活用を普及させることでした。
 しかし一方で、観光振興を優先すると広がりにくいのでは、といった考え方もありました。そこで、最初に自転車は健康・生きがい・友情を与えてくれるものと捉えました。「自転車新文化」の考え方です。これが普及することで人々が健康になり、楽しむことができ、結果として地域活性化につながるというふうに、物事の組み立ての順番を変えたのがポイントです。

 ――具体的に取組まれたことは。
 県外へ発信する前に、まずは県内の人へ、クロスバイクやロードバイクの楽しさを知ってもらうことから始めました。これらは10数年前の取組みですが、当時、ロードバイクは若者が乗るというイメージが強くありました。しかし、ヨーロッパやアジアでは年齢層を問わず、人々が楽しんでいる風景がありました。
 イメージを転換させるため、まずは自分が乗りました。その次に県職員の部長クラスが乗り、県内市長・町長、企業の社長という順に次々とサイクリングを広めていきました。50~70代が次々とヘルメットをかぶってクロスバイクなどを乗っている光景は、当時からすれば異様な風景でした。

 その次に、短期・中期・長期計画を立てました。短期計画は、しまなみ海道をサイクリストの聖地にすること。2014年に、日本で初めて高速道路を止めて車道を走るイベント「サイクリングしまなみ」を行いました。
 中期目標は愛媛県を「サイクリングパラダイス」にすること。休憩スペースやトイレの貸出、給水サービスなどを行うサイクルオアシスや、毎年11月第2日曜日を「愛媛サイクリングの日」として制定し、県内全市町で自転車・サイクリングに関するイベントを一斉に行うことで、普及をはかっています。長期目標は四国を「サイクリングアイランド」にすること。四国知事会議で呼びかけ、四国一周を目指すサイクリストが走行中に迷わないよう、路面案内ピクトの設置拡大に協力いただきました。

 さらに国を越え、台湾との海外交流も行っています。四国と台湾は一周約1000kmでほぼ同じ距離です。四国一周と台湾一周の相互交流の促進を図るため、両コースをサイクリングで走破した人にはオリジナルプレゼントを贈呈しています。10年前は、電動アシスト自転車はいわゆるママチャリしか種類がなく、フル充電で走行できるのは20~30kmでした。現在はeバイクも普及し、クロスバイクなどでは200㎞走れるものもあります。70歳を過ぎても楽しめるツールが、確実に増えてきています。

 ――ねんりんピックの開催に向けて。
 愛媛では2017年に国体を開催し、3年後の20年にスポーツマスターズ(新型コロナのため中止。25年に開催決定)、そして2年後の22年にねんりんピック(新型コロナのため1年延期)と、3つの大きなスポーツイベントを集中的、戦略的に誘致し、スポーツ文化の浸透をはかってきました。
 国体のとき、特に力を注いだのが県民全体でのおもてなしと、そして「愛媛ファン」を増やすことでした。今年のねんりんピックではそのノウハウを十分に活かし、全国から来る1万人の選手、スタッフの皆さんを張り切って迎えたいと思います。
 元来、お遍路さんの接待の文化が根付いている地域です。その温もりを感じていただければと思います。

6,000 人以上が参加した
「サイクリングしまなみ2022」
右はゴールする中村知事

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