尾西食品 アルファ米 水だけで炊きたての味 食料備蓄は職員分も含めて

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尾西食品 アルファ米 水だけで炊きたての味 食料備蓄は職員分も含めて

 尾西食品(東京都港区、古澤紳一社長)は、水やお湯を加えるだけで炊きたてのようなおいしさのごはんが出来上がる「アルファ米」を使った様々な商品を展開する。2024年4月のBCP策定の完全義務化を前に、災害時の調理の利便性や保管場所が課題となる中、同社は健康を支える食への備えに取り組む。

 策定期限まで半年を切り、同社には商品の種類や特徴、収納場所・賞味期限を考慮した備蓄方法など、将来を見据えた具体的な注文や問合せが増えている。
 アルファ米は、炊きたてのごはんを急速に乾燥させ、米の中のデンプンを消化しやすい「アルファ化」の状態で保存した商品。水やお湯を加えると、まるで炊きたてのような食感とおいしさのごはんが出来上がる。水分が少なく軽量・省スペースで、5年半保存できる。
 1995年の阪神・淡路大震災後に採用が急拡大し、全国の多くの官公庁・介護施設で災害食として備蓄されている。

利用者から職員まで様々な嗜好に対応

 同社商品には、白飯や五目ごはん等のほか、咀嚼に不安を抱える高齢の人などに配慮したおかゆもある。CoCo壱番屋監修のカレーライスセットもあり、職員を含めた様々な嗜好に応える。
 介護施設では、50人分のごはんが一度にできる炊き出しセットや、30人分のけんちん汁や豚汁と食器を備蓄できるセットが人気。袋包装の「ひだまりパン」は、袋を開けるだけですぐに食べられ、缶入りタイプより、保管場所と廃棄物を削減できる。
 同社の商品のおよそ3分の2はアレルギー物質不使用で、半分以上がイスラム教徒の人が食べられるハラール認証済。
 同社営業担当者の多くが防災士資格者で、現場での保管や同社商品の活用など具体的な運用面でのサポートも受けられる。

発災から支援開始までの自助の備え

 災害直後の初期対応には自助による備えが必須。支援の手が届くまでの3日から1週間をどう乗り切るかが課題だ。
 介護現場のBCPでは、利用者とともに働く人の食事・健康の充実がよいケアのために欠かせない。災害時に職員が能力を最大限発揮できるよう利用者だけでなく職員用も含めた水や食料の備蓄が求められる。目安として、利用者と職員の合計人数分の非常食・飲料水を最低3日分から備蓄したい。

(シルバー産業新聞2023年11月10日号)

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