HARAPAN 技能実習生の暮らし守る礼拝室付きカフェ

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HARAPAN 技能実習生の暮らし守る礼拝室付きカフェ

 神奈川県横須賀市にある「HARAPAN」は、イスラム教徒の礼拝室を併設したインドネシアカフェ。本場インドネシア料理が楽しめるほか、現地でしか買えない調味料や雑貨なども販売する。訪問・通所系サービス、グループホームなどを運営するスマイル(横須賀市、久保田康雄社長)が、技能実習生や地域の人たちの交流の場になってほしいと、今年4月にオープンさせた。

 日本料理の料亭だった場所を改装。カフェ、物販スペースに加え、礼拝堂2カ所、沐浴用のシャワー室も備える。壁には1日5回、礼拝の時間を知らせる専用の時計がかかっている。

 現地でよく集団礼拝が行われる金曜日には多くのインドネシア人が集まり、ランチ、ディナー、そしてお祈りの時間を共に過ごすそうだ。「『徳を積む』意識が非常に高い。人が集まると何倍にも増幅するという考え方がある」とスマイル常務取締役・嘉山仁氏は説明する。

 同社は2020年2月に技能実習生の受入を開始。インドネシアからは現在4人がグループホームなどで働く。年内には新たに特定技能枠で18人が入国する予定。執行役員管理本部長の亀割貴志氏は「総人口2.7億人のインドネシアは介護人材のマーケットとして非常に魅力的。実際に関わってみると、大変優秀でホスピタリティも高い」と評価する。

 HARAPANのきっかけは、技能実習生の定期面談で出てきた「礼拝の場所がない」との困りごと。「礼拝堂(モスク)だと近いところで横浜。インドネシア人のコミュニティが地域にほとんどない現状を表している」と嘉山氏。「今後長く働いてもらえるチャンスを『暮らしにくさ』でつぶしてはもったいない」と強調する。

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多様性を認め合う

 9割近くがイスラム教徒であるインドネシア。日本に比べ生活上の規律も多いため、送り出し機関には業務内容の詳細を事前に、入念に伝え、その上で希望する人材を募ったという。

 例えば、基本的にNGである豚肉・酒については「手袋をつければ調理は可能」という人も。勤務時間と礼拝の時間が重なる場合は、礼拝の時間をずらす、1回分を長くし2回分とするなど個々で判断するそうだ。「本人にとって合理性があれば、考え方はわりと柔軟な部分が多い」(亀割氏)。

 また、女性スタッフは肌を隠す必要から、頭にも布を巻いた状態で業務につくが、利用者には文化的な違いなどを事前に説明し、受入れは自然だったという。

 同社は特定技能の登録支援機関としての認可も取得。今後は他社事業所への受入れ支援も視野に置く。亀割氏は「将来の圧倒的な人材不足を見据えたとき、外国人の受入をする・しないの次元ではもうない。する前提で、継続的な教育・生活支援の土壌を作っていく必要がある」と強調。嘉山氏も「横須賀市内の介護事業所で働く外国人はたった数人。『今、人が足りない』から動いていては遅い。地域レベルで受入れの質を高めていきたい」と意気込む。

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(シルバー産業新聞2022年11月10日号)

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