シーディーアイ 「SOIN (そわん)」 1年後の状態予測やプラン提案

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シーディーアイ 「SOIN (そわん)」 1年後の状態予測やプラン提案

 日本で初めてAIを搭載したケアプラン作成支援システムを開発・商品化したシーディーアイ(東京都中央区、濵岡邦雅社長)。昨年5月に第2世代AIエンジンを搭載した「SOIN(そわん)」をリリースし、現場への普及を加速させている。濵岡社長に話を聞いた。

 ――「SOIN」を利用することで、何が実現できるのですか。

 ご利用者の状態に関する74の項目を入力すると、AIが過去に学習した膨大なデータを元に、80%以上の確率で1年後の要介護度や各種項目の変化を予測することができる。さらに、AIがビッグデータの中から、状態像が近い人を抽出し、実際に要介護度が維持・改善されたケアプランを提案できるのも特長。自身が作成したケアプランと比較検討することで、より自立支援に資するケアプランの提供が可能になる。

 ――直近のユーザー数を教えてください。

 4月末時点で、約7500人のケアマネジャーに有償で利用してもらっている。直近の伸びから考えると、秋頃までにはユーザー数が1万人を超える見込みだ。利用料はケアマネジャー1人あたり月額6000円(税抜)で、ユーザーからは、「SOINが示す数字やグラフを用いることで、利用者に根拠を持って説明できるようになった」「SOINは良き相談相手であり、パートナーである」などのお声を頂戴している。徐々にではあるが、AIが現場に浸透してきていると実感している。

 ――5月末より、新機能が追加されています。

 「SOIN」には、もともと予測機能やケアプラン提案機能が備わっているが、その前段階であるアセスメントを支援する機能がなかったので、今回、現場の要望に応える形で「アセスメント支援AI」という機能を追加した。具体的には、ケアマネジャーが利用者の状態や疾患に関して、「SOIN」に知りたい内容を入力すると、AIが過去のデータの中からアセスメント情報や疾患情報を分析し、その結果と「留意すべきアセスメント項目」を表示する。疾患情報については、大腿骨頸部骨折や脳血管疾患など、国が推し進める「適切なケアマネジメント手法」に準拠した内容となっており、「自立支援」のケアマネジメントをより深く実践することができるようになる。

 ――愛媛県の伊予市と西条市では、「SOIN」を使ったケアマネジメントの質向上の実証実験も行われています。

 もともと愛媛県がDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的な県で、介護分野でも取り組みを進めたいとの考えから、県内の市町村に協力要請したのがきっかけ。伊予市と西条市のケアマネジャーの協力を得て、AIケアプランがケアマネジメントの質向上や適正化などに効果があるかを検証することになった。結果は、「SOIN」を使うことで、9割のケアマネジャーが客観的な視点でケアプランを作成することができたと感じ、半数のケアマネジャーが、利用者や家族が、自立に向けた取り組みや、重度化防止に前向きになったと感じるなど、大きな成果が得られている。今後、多くの自治体で、「SOIN」を用いたケアマネジメントの質向上事業が取り組まれることを期待している。

 ――日本老人福祉財団と「AIを搭載した介護予防システム」も共同開発されています。

 日本老人福祉財団が運営する介護付き有料老人ホーム「ゆうゆうの里」では、入居者に対して、厚労省が作成する「基本チェックリスト」をベースにした日常生活に関する調査を毎年実施している。そのデータをAIに学習させて、1年後の生活状況の変化や予測を可視化し、介護予防やフレイル予防につながる提案が行えるようにした。シーディーアイは「AIケアプランの会社」と誤解されがちだが、私自身は「介護の世界に存在する課題をAIで解決する会社」だと定義している。これから先も、AIを活用した画期的な製品の開発に取り組んでいきたい。
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(シルバー産業新聞2022年6月10日号)

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