フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」開始

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フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」開始

 福祉用具レンタル卸の日本ケアサプライ、おむつメーカー大手のリブドゥコーポレーション、三菱商事の3社は共同で、在宅で暮らす高齢者の排泄ケアに関する課題を改善する、フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」を3月より開始する。専門家がおむつの選定・提案に関わり、その人に合った最適なおむつを自宅などに届けるサービスで、訪問介護事業者などが保険外サービスとして取り組めるのも特長。おむつからのモレなどに悩む在宅介護の現場に、革命を起こすのではないかと注目が集まっている。

最適なおむつと「モレない安心感」を届ける

 看護や介護の専門職がいる病院や施設と違い、在宅には排せつケアの考えが浸透しにくい面がある。また、十分な知識がないまま、誤った使い方などによって、おむつモレに悩む人が、在宅の場合は少なくない。

 こうした社会的課題に対し、日本ケアサプライ、リブドゥコーポレーション、三菱商事の3社が、それぞれの強みや特長を生かして提案するのが、フィッティング付きおむつ配送サービス「おむピタ」だ。最大の特長は、単におむつを届けるのではなく、「モレない安心感」も一緒に届ける点にある。

 サービスの流れは、訪問介護事業者などが、希望する利用者の情報をリブドゥコーポレーションの専門家と共有することからはじまると、リブドゥコーポレーション執行役員の大堀昭典さん(写真右)は説明する。同社にはリフレサポーターと呼ばれる、排せつケアのアドバイザーが配置されており、事業者から提供された利用者情報をもとに、遠隔でその人に合ったおむつを選定する。その後、利用者宅に選定したおむつの試供品と選定理由が書かれた提案書が届き、その内容を利用者や家族、ヘルパーらが把握し、サイズや履き心地を確かめた上で購入するという流れ。さらに、おむつの残数が少なくなってきたら、介護事業所のヘルパーがチェックし、発注をかけるという仕組みなので、おむつが切れる心配がなくなる。三菱商事ヘルスケア本部介護・高齢者支援プロジェクトマネジャーの髙橋慶さん(写真中央)は「我々が販売するのは、おむつではなく安心感」と強調する。

 「おむピタ」の事業化に向けた実証事業では、利用者から「モレの心配もなくなり、履き心地もよくなった」「おむつは大きくてかさばるので、買いにいく手間が省けてよかった」「常に家におむつがあるので、足りなくなる心配がなくなった」など、多くの喜びの声が届けられている。

介護事業者が保険外サービスとして取り組める

 「おむピタ」のもう一つの特長が、介護事業者が保険外サービスとして取り組める点。介護事業者が「おむピタ」を希望する利用者と契約を交わすことで、前述のサービスが受けられるほか、動画などの教育コンテンツも利用できるようになる。同サービスの提供価格は、介護事業者が自分たちで判断するが、「おむつメーカーの専門家がお一人お一人にあった選定を行う、事前にお試しが可能、送料込み(一部地域を除く)であることを考えると割安感を感じてもらえるのではないか」と日本ケアサプライ常務執行役員の平松雅之さん(写真左)。「モレない安心」を届けるだけでなく、介護事業者が保険外サービスとして確実に収益を生み出せるのも「おむピタ」の優れた点だ。

 サービス提供は西日本から段階的に開始しており、3月に首都圏エリア、6月には全国で展開される予定。順調にサービスが拡がれば、排せつケアに悩む在宅介護の現場を変えていく可能性がある。

 「おむピタ」の詳細は日本ケアサプライHP(https://www.caresupply.co.jp/)、問合せはHP内の問合せフォームより。

(シルバー産業新聞2022年3月10日号)

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