日本介護美容セラピスト協会 触れる力で表情明るく
高齢者のQOL向上を目的とした「介護美容」の取組みが広がっている。「ビューティタッチセラピー」の普及活動に力を入れるのは、日本介護美容セラピスト協会(大阪市、谷都美子代表理事)。1995年から高齢者施設での化粧療法に取り組んでおり、全国でセラピストの養成活動も行っている。
同協会運営の「ビューティタッチセラピスト認定基本講座」は、これまで約2600人が受講。エステティシャンや理学療法士、介護従事者など多岐にわたる。
30分で表情が変わる
この日の取材では、同協会講師の佐川なつきさんが介護現場で最も行われているハンドセラピーを実演した。肩をほぐすことから始まり、消毒、化粧水、クリームの順で腕全体に塗り広げていく。静脈やリンパを流すようなイメージで、決して力を入れず、指先からゆっくりと優しく撫でさする。
「今まで頑張ってきた手にご褒美をあげましょうね」と声をかけつつマッサージを続けていると、最初は緊張していた利用者も徐々に口数が増える。「肌の色が変わってきた」と自分で両手を見比べ驚く場面も。30分後、施術を終えた手はツヤツヤと輝き、血色がよくなったことが一目で分かる。利用者は「さっきまでとは全然違う。またやってほしい」と笑顔を浮かべた。
野沢さんは「ハンドセラピー後にネイルをしてあげると、皆さん嬉しそうにずっと手を見ています。ご家族からも、明るい表情で帰ってきたと好評です」と説明。「高齢者の美容に対するこだわりは今後一層高まると考えます。デイの付加価値として展開していきたい」と語った。
受講料は、介護看護資格あり・現役就業の場合で4万6200円。7月の開講予定は鹿児島(7月1日~)、和歌山(7月8日~)、東京(7月12日~)、岡山(7月20日~)、大阪(7月23日~)。
詳細は同協会ホームページ(QR)。
問合せは同協会(TEL0120・551・334)まで。