「とろみサーバー」で給茶効率化 嚥下対応の不安を解消

「とろみサーバー」で給茶効率化 嚥下対応の不安を解消

「とろみサーバー」で給茶効率化 嚥下対応の不安を解消

 住宅型有料老人ホーム「ケア・キューブくさか」(大阪府東大阪市、52室)は昨年、凰商事(東京都新宿区、藤原幸治社長)の「とろみサーバー」を導入し、安定したとろみ調整と、職員の負担軽減を実現している。榎本悠施設長は「とろみ調整は分量や混ぜ方、置く時間のちょっとした違いで均一な出来あがりが難しい」と説明。デリケートな作業を機械化することで、職員の不安やストレス軽減にもつながっていると話す。

 同施設は訪問看護ステーションと提携し、看護師が24時間・365日常駐するなど、医療体制が手厚い。訪問介護、通所介護も併設。2月現在、入居者は要介護、障がい認定のいずれかを受けている人で、自立はいない。とろみサーバーは共用の食事スペースに設置し、食事毎(併設デイの昼食含む)に利用。嚥下機能が低下し、とろみ調整が必要な入居者は5~6人ほどいる。

 同製品は、飲料の種類と温・冷、とろみの程度を選ぶと、約30秒でとろみ飲料が自動的に抽出される。計量などの作業が不要で、誰でも常に安定したとろみ付けが可能になる。とろみ調整食品に用いる「つるりんこQuickly」(クリニコ)は時間が経過しても安定したとろみが持続。無色・無味・無臭で飲料、汁物などの本来の味を損なわない。
 とろみの濃さは日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013(とろみ)に沿って、「うすめ」「中間のとろみ」「こいめ」の3段階。「とろみ無し」も選べるので、嚥下機能に問題のない入居者や職員も通常の飲み物として利用できる。

 同施設の場合、安全面から、飲み物は必ず職員が提供。認知症の人や管理しなければ水を大量に摂取してしまう人がいるので、普段はロック機能をかけている。

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スムーズなお茶出し

 「とろみの有無に関わらず、飲み物の出しやすさが全く変わった」と榎本氏。今までは厨房で沸かしたやかんを食事スペースへ運んでいたが、その手間がなくなった。

 「沸かしたてだと熱すぎて飲めないことも。サーバーは温・冷ともに適温で抽出されるので、出すタイミングに気を使わなくても大丈夫」。同じ飲料・とろみを複数用意したいときは、一度に大量抽出できる「まとめどり」機能も重宝。手作業を極力なくすことで、衛生面にも配慮できていると述べる。

榎本悠施設長

榎本悠施設長

 飲料は3種類、水(湯)とあわせて4種類までセット可能。同施設ではほうじ茶、麦茶の2種類のお茶を揃え、朝・夕食と昼食で出す種類を変える。残りの1種類は時期や季節で流動的。「お茶の種類や温・冷は好みが分かれるところ。それを1台で賄える」(同氏)。

 とろみサーバーに関する問合せは凰商事(TEL0120・915・746)まで。

(シルバー産業新聞2022年3月10日号)

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