「とろみサーバー」で給茶効率化 嚥下対応の不安を解消
住宅型有料老人ホーム「ケア・キューブくさか」(大阪府東大阪市、52室)は昨年、凰商事(東京都新宿区、藤原幸治社長)の「とろみサーバー」を導入し、安定したとろみ調整と、職員の負担軽減を実現している。榎本悠施設長は「とろみ調整は分量や混ぜ方、置く時間のちょっとした違いで均一な出来あがりが難しい」と説明。デリケートな作業を機械化することで、職員の不安やストレス軽減にもつながっていると話す。
同製品は、飲料の種類と温・冷、とろみの程度を選ぶと、約30秒でとろみ飲料が自動的に抽出される。計量などの作業が不要で、誰でも常に安定したとろみ付けが可能になる。とろみ調整食品に用いる「つるりんこQuickly」(クリニコ)は時間が経過しても安定したとろみが持続。無色・無味・無臭で飲料、汁物などの本来の味を損なわない。
とろみの濃さは日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013(とろみ)に沿って、「うすめ」「中間のとろみ」「こいめ」の3段階。「とろみ無し」も選べるので、嚥下機能に問題のない入居者や職員も通常の飲み物として利用できる。
同施設の場合、安全面から、飲み物は必ず職員が提供。認知症の人や管理しなければ水を大量に摂取してしまう人がいるので、普段はロック機能をかけている。
スムーズなお茶出し
「沸かしたてだと熱すぎて飲めないことも。サーバーは温・冷ともに適温で抽出されるので、出すタイミングに気を使わなくても大丈夫」。同じ飲料・とろみを複数用意したいときは、一度に大量抽出できる「まとめどり」機能も重宝。手作業を極力なくすことで、衛生面にも配慮できていると述べる。
とろみサーバーに関する問合せは凰商事(TEL0120・915・746)まで。
(シルバー産業新聞2022年3月10日号)