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介護助手「介護職の燃え尽き予防」効果も

介護助手「介護職の燃え尽き予防」効果も

介護老人保健施設「いこいの森」(三重県津市、東憲太郎理事長)は、全国に先駆けて高齢者を介護施設の働き手として活用する「介護助手」に取組んできた。 全国老人保健施設協会会長で、同三重県協会会長も務める同氏の呼びかけで、三重県内の介護施設が参加。2015年には地域医療介護総合確保基金を活用し、三重県より3000万円のPR・運営のための予算(翌年度600万円など以降も予算化)が認められている。 国の22年度予算では、三重県を中心に成功した介護助手を全国で活用できるように、都道府県にコーディネーターを配置する予算が認められた。

「介護助手」 と 「介護職の専門性向上」

 東氏は「看護師が看護助手制度により専門性の高い職種となったように、介護士も介護助手制度により、科学的介護の実践者として専門性が認められる契機」と、期待を寄せる。業務内容は「周辺業務(清掃・配膳下膳・車いすのメンテナンス・ベッドメーキングなど)である」「都合のつく3時間程度で良い」ということをきっちりと伝えることがポイントだという。

 初年度は老健9カ所が受け入れを表明し、三重県内で近隣の高齢者を中心に280人がエントリーするほどの人気。説明会を経て一部を採用した。「高齢者の介護助手としての就労意欲は高く、不採用の人でも希望者には登録者リストに入ってもらい、欠員が発生した時に対応してもらっている」(東氏)と、介護人材の負担軽減に留まらず、貴重な働き手としての役割も担っているという。

職場環境改善の担い手

 「いこいの森」の場合、初年度に介護助手7人を採用し、現在では介護職27人に対し、22人の介護助手が働いている。60歳代を中心に50~70代が従事しており、中には元看護師もいるという。

 給与も時給900円程度で「1日3時間程度×週3日」の人が多く、月4万円程度の収入が得られる。「介護施設ではありがたい早朝6時~9時などのエントリーもある」(東氏)という。本人は特に意識しなくてもフレイル予防の効果もあり、介護予防の側面でも介護助手に取り組む意味はあるという。

 介護助手の給与などに年間1500万円が費やされていることから「薄給の働き手確保ではない。介護現場の支え手としての役割にも注目するべきだ」と東氏は強調する。

 介護職員の負担軽減や職場定着の意味でも、介護助手を採用する意味は大きいという。同施設では介護助手が10人になった時点で、介護職の残業がゼロとなったことから「介護助手10人につき、介護職1人分の負担分散ができている」と東氏は見積もる。

施設の支え手として

 介護助手の効果については、東京都健康長寿医療センター研究所の藤原佳典研究部長らの英語論文が採択されるなど、世界に向けてもその取り組みは注目されている。その中で、介護職のバーンアウト(燃え尽き症候群)予防の効果が挙げられており、介護助手を採用し、活躍する職場は介護職の離職が抑えられているとされている。

 「職場環境改善は見守りセンサーやICT活用だけでなく、介護助手の活用をすることも大切。今後『介護助手が一定数居ると、サービスの質が向上した』などの効果を集め、介護報酬上で評価されることをめざしたい」と東氏は語った。

(シルバー産業新聞2022年4月10日号)

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