コロナを甘く見るな
厚労省の調べでは、8月2日までに、累計で9328件の新型コロナウイルスの集団発生が起きている。比較的落ち着いていたクラスター発生は、7月に入り、第1週から順に1週間計で、105件、105件、140件、172件、270件と尻上がりに増加してきた。
気に掛かるのが保育所。市町村から報告された保育所の感染状況は、7月29日時点で、累計3301カ所で感染者が発生し、これまで職員3467人、利用乳幼児3350人が感染した。この日時点で、62施設の保育所で全面休園している。小児科医は、子どもたちのマスクは危険があると指摘していること、若者から40~50代までのワクチン接種がこれからであることや、デルタ株など変異株の影響などが考えられると専門家がみる。若い年齢層のワクチン接種が、日本だけでなく、多くの国々で課題になっている。効果と安全性を秤にかけて自己判断しなければならないワクチン接種だが、子どもへのワクチン接種の安全性については、大半のワクチンでエビデンスがまだない状況だ。子どもはその多くが無症状のまま感染を引き起こしているのかも知れない。
「重症者が減ったから安心という訳ではない。重症者というのは、瀕死の状態を指す」と専門家は警鐘を鳴らす。4~5月の医療崩壊を引き起こしていた当時の神戸市では、コロナ対応の病院への搬送は、血中酸素濃度が70台であることが救急隊員の間で申し合わされていたという。まさしく瀕死状態だった。私たちは、まだまだ新型コロナウイルスを甘くみてはいけない。いつまたそうした事態になるとも限らない。





