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リンゴ日報

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 香港の民主化運動を報道し続けたリンゴ(蘋果)日報が6月24日、中国政府の弾圧で廃刊に追い込まれた。昨年制定された国家安全維持法の違反で、社長や編集長など幹部が逮捕され、資産も凍結されたためだ。

 最終号を買い求める香港の人たちの姿がTVやウェブで流された。日本の多くの新聞やTVニュースが中国政府の横暴を批判した。日本政府も、29日、加藤勝信官房長官の会見で、「香港がこれまで享受してきた民主的、安定的な発展の基礎となる言論、報道の自由を大きく後退させるもので、重大な懸念を持っている」と抗議している

 1842年、香港は、アヘン戦争で勝利したイギリスが清から割譲を受けた。1997年7月にイギリスは香港を中国に返還したが、香港には、外交や防衛を除いて高度な自治権が与えられ、香港の社会や経済制度は変えない取り決めが行われ、50年間は変更しないとした。いわゆる「一国二制度」の仕組みがつくられたが、リンゴ日報事件によって、香港の社会の自由は、大きく縮小される危機を迎えている。表現・報道の自由は、多くの犠牲と反省によって築き上げられてきた歴史がある。物言えぬ社会や時代にしてはならない。

 新聞の社説より。「1995年の創刊当初は報道の信頼度はさほど高くなかったようだ。しかし、習指導部の圧力で各紙が政府批判を控える中で、民主化運動を一貫して支持する姿勢が香港市民に評価され、言論の自由と民主派のとりでとしての地位を築いてきた」(高知新聞、26日)、「警察が捜索に入った17日、記者たちは印刷工場に臨時の編集室を設けて仕事を続けたという。社にとどまれば逮捕される危険がある上、資産の凍結で給料が支払われるか分からない状況になっても多くの従業員が残り、24日に最後の新聞を出すまで働いた」(信濃毎日新聞、25日)

 リンゴ日報は創刊時に「われわれが作るのは、香港人の新聞」と掲げた。最終号で、「雨の中のつらい別れ」と書き記して、輪転機を止めた。ただ、印刷版を大きく上回る発行部数だったウェブ版は、台湾での継続が検討されているという。

(シルバー産業新聞2021年7月10日号)

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