年収の壁・支援強化パッケージ

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年収の壁・支援強化パッケージ

パート・アルバイト等の短時間労働者が「年収の壁」を意識せず働くことができる環境づくりを支援するため、厚生労働省は、9月末に「年収の壁」への当面の対応策として、支援強化パッケージを正式に発表しました

  「年収の壁」とは、配偶者の被扶養者であってパート・アルバイト等で働く人が、一定の年収額を超えると、自ら厚生年金・健康保険に加入することになり社会保険料負担が発生するため、手取り収入額が減るというものです。
厚生労働省の調査によると、配偶者の被扶養者で保険料負担がない「第3号被保険者」のうち約4割が就労していて、その中には、「年収の壁」を理由として働く時間を抑え就業調整している人が一定程度存在しているとのことですが、これが人手不足につながっているともされています。

【年収の壁】

(1)「106万円(被用者保険加入)の壁」
従業員が101人以上(※1)の企業に勤務する場合、年収106万円を超えると、厚生年金・健康保険に加入(※2)することになり保険料負担が生じる。(結果、配偶者の厚生年金・健康保険の被扶養者からはずれる)
これは、2022年10月の法改正で社会保険の適用が拡大されたことに伴うもの。

(2)「130万円(被扶養者認定基準)の壁」
前述(1)以外の勤務の場合、年収130万円を超えると、配偶者の厚生年金・健康保険の被扶養者からはずれ、国民年金・国民健康保険に加入することになり保険料負担が生じる。

(3)「配偶者手当の壁」
年収が一定額を超えると、配偶者の会社から配偶者手当が支給されなくなる。

(※1)24年10月からは従業員51人以上の企業に拡大
(※2)月額賃金8万8000円以上、週の所定労働時間20時間以上であることが要件

【年収の壁への対応】

(1)「106万円の壁」への対応
①キャリアアップ助成金に「社会保険適用時処遇改善コース」を新設
厚生年金・健康保険の適用で短時間労働者の手取り収入を減らさないように、基本給の増額、所定労働時間の延長や社会保険適用促進手当の支給などの取組を実施する事業主に対して、労働者一人当たり最大50万円の支援をする(26年3月31日までの時限措置)。

②社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外
短時間労働者が新たに被保険者となった場合に、その保険料負担を軽減するため「社会保険適用促進手当」を支給することができる。この「社会保険適用促進手当」は、給与・賞与とは別に支給するものとし、新たに発生した本人負担分の保険料相当額を上限として社会保険料の算定対象としない。

(2)「130万円社の壁」)への対応:事業主の証明による被扶養者認定の円滑化
繁忙期に労働時間が増えて収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、引き続き被扶養者認定が可能となる(連続2年が限度)

(3)「配偶者手当の壁」への対応:企業の配偶者手当の見直し促進
今年は30年ぶりの高い水準での賃上げ、また、地域別最低賃金額の全国加重平均は1004円となり、政府目標の1000円を達成しました。最低賃金額が上がったことにより、就業調整する人の増加が考えられますし、2040年にかけて生産年齢人口の急減による社会全体の労働力確保が大きな課題になっている中、人手不足への対応が急務とされています。

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