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ヤマシタ 山下和洋社長 変化を楽しみつつ、共に成長できる企業に

ヤマシタ 山下和洋社長 変化を楽しみつつ、共に成長できる企業に

 当社は今年3月6日で創業60周年を迎えた。ここまでたどり着いたのも、皆様の支えがあったからこそと感じており、改めて感謝申し上げたい。利用者や家族をはじめ、チームとしてともに在宅介護を支えるケアマネジャーなど他職種の人々、福祉用具メーカー、当社の従業員やその家族などに支えられて今に繋がっている。

 私自身、居宅介護支援事業所に訪問すると、ケアマネジャーから、当社の歴代の担当者について、率直に色々なお話を聞かせてもらえる。そのたびに、こうしてお褒めの言葉をかけてもらったり、時には叱咤激励もいただきながら、従業員のモチベーションを高めてくれているのだと感じる。メーカーの人たちにも、研修や現場の声を製品に反映してもらうなど、専門性やサービスの向上に欠かせない協力をいただいている。厳しい原価高騰の中ではあるが、在宅介護を支えるために我々と同じ方を向いて、歩んでくれている。

前身はガソリンスタンド 変化し続けた60年

 意外に思われるが、当社の前身は「山下石油」という静岡県の旧・清水市に構えたガソリンスタンドだった。日本が高度成長期に沸く中、創業者である祖父の山下利一が「これからはモノを売るより、貸す時代だ」といち早く時代の変化を読み取り、「静岡リネンサプライ」を設立した。今から60年前のことだ。

 モノを貸すことで会社を急拡大させてきた祖父が、1980年代に「介護の社会問題としてさらに顕在化してくるはず」と次に目を付けたのが福祉用具。介護保険制度がまだない時代に福祉用具のレンタルサービスを始めた。その後、介護保険が施行され、福祉用具貸与がサービスの一つとして位置づけられたことで「福祉用具のヤマシタ」としての認知度も高まっていった。

 父・一平が経営を引き継いでからは、職能団体「全国福祉用具専門相談員協会」(ふくせん)の設立や福祉用具サービス計画書の様式作成など、自社だけでなく業界全体での底上げにも力を入れた。公的サービスである以上、サービスの質の担保が何より大切と考えていたからだ。世の中の要請に応えるために、業界全体の変化が求められた。

事業拡張の鍵はテクノロジー

 父が急逝し、私が社長に就いたのが10年前。社会の動向を見極めながら、常に新しいことに挑んできた祖父や父の姿勢に倣い、私も社内の業務改善やマネジメント強化、人事制度の構築などさまざまな改革に取り組んできた。

 今後は事業の標準化領域を拡げながらテクノロジーを活用することで貴重な人財の力を最大化していくことが当社の目指す方向だと考えている。すでにベンチャー企業への出資や、AIサービス開発のエクサウィザーズと科学的介護の実践に向け、合弁会社を設立。全営業所で福祉用具×歩容解析AIアプリの活用も始めている。最近では、対話型AI「ChatGPT」※が高い注目を集めているが、新しいテクノロジーも積極的に事業への取り込みを模索しながら、お客様サービスや生産性の向上に活かしていきたい。

 振り返れば、これまでもガソリンスタンドからリネンサプライ、福祉用具へとその時代の社会やニーズを敏感に捉え、この60年間で変化を繰り返しながら、発展を遂げてきた会社だった。今後は特に、加速度的なテクノロジーの進歩をしっかり捉え、事業への応用と社内展開スピードが成長の鍵になる。私は今35歳で、年齢を考えれば父や祖父以上に長く経営に携わる可能性もあるかもしれない。重責だが、これからも変化を楽しみつつ、皆さんとともに成長できる企業であり続けたい(談)

 ※ChatGPT:OpenAIが昨年11月に公開した対話型AI。公開からわずか2カ月で月間ユーザーが1億人超を記録し、話題となった。

(シルバー産業新聞2023年3月10日号)

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