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ロボット調剤が切り開く未来 「調剤ミスゼロ・待ち時間ゼロ」に挑戦

ロボット調剤が切り開く未来 「調剤ミスゼロ・待ち時間ゼロ」に挑戦

 大阪市の「梅田薬局」(メディカルユアーズ運営)は、日本初のロボット薬局だ。全国に先駆けてロボット調剤の開発に成功し、「調剤ミスゼロ、待ち時間ゼロ」に挑戦。薬剤師の調剤業務の負担を減らし、より付加価値の高い対人業務の充実を目指す。介護の分野でもさらなる薬剤師の活躍の場を増やしたいと挑戦を続ける。

 薬局・薬剤師をとりまく環境は、近年、大きな変革期を迎えている。2019年4月2日に厚生労働省より「調剤業務のあり方について」(通称「0402通知」)が通達された。それまで原則、薬剤師以外が調剤することは薬剤師法により禁止されていたが、「ピッキング(包装されたままの医薬品を薬棚から取り出し、そろえる行為)」および「一包化(服用するタイミングが同じ薬剤を、1回分ずつパック)した薬剤の数量確認」などについて、薬剤師以外の者の補助が認められた。梅田薬局は、全国で初めてピッキング作業へのロボット導入に成功。対物業務を効率化することにより、服薬指導や在宅医療など対人業務の充実を目指す。
ロボットアームで薬剤(パッ ケージ単位)の出入庫を行う

ロボットアームで薬剤(パッ ケージ単位)の出入庫を行う

日本初のロボット薬局

 「調剤ミスと待ち時間をゼロにしたい」と渡部正之社長は語る。海外での成功事例を研究し、ドイツで薬剤の入庫・払い出しを自動でできる装置、ベクトン・ディッキンソン(BD)社「BD Rowa Vmax システム」に出会った。海外では処方薬が箱単位で販売される国もある。

 一方で、日本では医師の処方箋にそって薬剤師が必要日数分、薬剤を切り分ける計数調剤が行われている。渡部社長はBD社と共同開発を行い、「それまで海外仕様で箱単位の薬剤管理しかできなかったが、調剤後の箱に残った薬の数を含めバーコードで記録・管理できるようにした」ことで、国内で使用可能となり、梅田薬局へ導入・日本初のロボット薬局が誕生した。

バーコードで残薬数など の情報を管理する

バーコードで残薬数など の情報を管理する

対物業務の効率化 対人業務の充実

 ロボット調剤を導入しピッキング作業を一部自動化することで、薬剤の出入庫の時間を節約できるようになった。それにより、薬剤師が処方内容の確認や服薬指導などの対人業務に専念できるようになった。「患者さんの待ち時間を大幅に減らし、調剤ミスをゼロにできた」と渡部社長は語る。

 グループ全体として、在宅薬剤管理にも力を入れている。「ベッドサイドで患者さんと十分に対話する」、「フィジカルアセスメントを徹底し、服薬状況などについての報告書をかかりつけ医へ報告する」といった患者本位の医療の徹底を指導している。

調剤ロボットのさらなる国内普及を

 近年、日本国内でも調剤ロボットの導入が進むが、まだ十分とは言い難い。同社は、調剤ロボットを製造するイタリアGPI SpA社(以下、GPI社)と日本国内における独占販売契約を締結。GPI社製の薬剤自動入庫・払出装置「RIEDLPhasys (リードル・ファシス)システム」に、メディカルユアーズ社開発の処方箋データ連携ソフトウェアを連動させ、国内向けの仕様とした。年内の国内向け販売を目標としている。

質の高い薬剤師業務を中心とした医療を全国へ提供

 今後は、ロボット薬局を軸とした医療モールの全国展開を目指す。「医療の効率化は多くの患者さんのためになる」と渡部社長。さらに、「介護分野でも、もっと薬剤師の活躍の場を増やしたい」と意気込む。「ロボットに仕事を奪われることに危機感を持ち、ロボットにはできない新しい仕事に挑戦し続けなければならない」、どの業種にも共通するこれからの課題である。

(シルバー産業新聞2022年6月10日号)

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