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K-WORKER、9月に福祉用具貸与事業所を移転 普通の住宅を借りて、住まいの実体験所に

K-WORKER、9月に福祉用具貸与事業所を移転 普通の住宅を借りて、住まいの実体験所に

 訪問介護事業からスタートし、福祉用具貸与、居宅介護支援、通所、訪問看護と多方面に介護保険事業を展開し、保険外では「住まいるサポート」や栄養ケア・ステーションを開くK-WORKER(東京都新宿区、佐藤修代表)。9月に福祉用具貸与事業所を移転し、普通の住宅を事務所にした。地域に密着する同社の展開などを、環境改善部統括部長の山上智史さんに聞いた。

 福祉用具を扱うK-WORKERでは、以前、事務所の椅子を車いすにするなど、社員が車いすで業務する会社として話題になった。車いすは歩けない人には有難い用具だが、下肢の筋力が落ちたり、長期間使用することで不便さも実感できたという。デメリットも伝える事で、選択肢に車いすの他に歩行器なども考慮してもらい、自己決定を促すことができると山上さんたちは考えている。

 実感を大切にして、普通の住居を事業所にして住まいを実体験する、という今回のコンセプトについて、具体的な例を挙げて説明してもらった。

1.時計を変えてみた
 認知症のSさん。ケアマネ、看護師、ヘルパーとのサービス担当者会議の一コマ。昼夜逆転で、カーテンの開け閉めの工夫、薬の調整、なるべく座位を取ってもらう、など意見が出た中、山上さんは、時計に着目。静かに時を刻む時計を見て、1時間ごとにチャイムが鳴る時計に変えようと提案した。すると、Sさんは、「あらっ、もう夕飯の時間ね」と時間を意識するようになり、昼夜の逆転が改善されていった。「私は自分の子供に時間を教えたくてこの時計を使ってます」と言う山上さんは、子育て中のパパ。生活の中から気づいたアイディアが介護にも活かされ、用具や環境を整えることで自立支援に繋がった例、と説明する。

2.「ベッドサイドテーブル」への気づき
 左麻痺があるMさん。ベッド上で端坐位で食べることができたが、すぐに疲れて横になってしまう。体力があるのになぜだろう?と担当者会議で話に上がった。山上さんは、ベッドで端坐位のMさんを見ると、食器の位置が食べる方の右手の反対側にあることが分かった。そこで、食器を右側に置くため、サイドテーブルを右側に移す提案をした。Mさんは最初、「オーバーベッドテーブル」を使ってベッド上で食事をしていたが、端坐位になる時、テーブルをそのまま左側に置いてしまった。もし、動きが自由なサイドテーブルに変えれば、右側にテーブルを置くことが出来たはず。テーブルを変えてみる、という発想がなかなか出てこなかったそうだ。「使い慣れたものや、与えられたものを使い続けてしまう、という習慣がよくあります。しかし、用具や環境を変えることで、使い易くなることがある。用具に身体を合わせている場合が多いので、身体に合うように環境や用具を変化されることを大切にしています」と説明する。

 山上さんはもともと在宅でヘルパーをしていた。ヘルパー時代を振り返ると、用具や環境の工夫に気付いていれば、利用者はもっと救われたのにと反省する日々だという。その例を二つ挙げてくれた。

*ヘルパー時代の後悔
1.「エアマット」から「サイドエッジマット*」に変える
 エアマットを使うFさん。ふかふかするので、ベッドから車椅子への移乗は大変だった。ある日、近づいて移乗すると、ずるずるっと、Fさんは下にズリ落ちてしまった。幸い怪我はなかったが、その後、サイドエッジマットという、中央は柔かく、ヘリが固いマットがあることを知った。そのマットを使って、固いヘリに座ってもらえば、移乗がしやすくなったはず。もっと早く知っていれば、Fさんに怖い思いをさせずに済んだと反省しているそうだ。

2.「端坐位保持テーブル」で食事が可能に
 ベッド上の端坐位でようやく食事が摂れるKさん。座位が不安定なため、ヘルパー山上さんはベッドの上に乗り、片腕で支えながら食事介助をしていた。その後、福祉用具事業所に転職して、「端坐位保持テーブル」という福祉用具があることを知った。このテーブルは後ろから身体をガードできるので、横に倒れることがない。Kさんは、この用具を活用したところ、一人で食事が摂れるようになった。ヘルパー当時、このテーブルの存在を知らなかったことを悔やんでいるそうだ。

 山上さんは、環境づくりから本人の思いを叶えていきたいと話し、福祉用具の仕事は環境づくりだと思って仕事をしてきたそうだ。家を使った新しい事務所には、寝室も、風呂場も、トイレもあるので、事務所でありながら普通の生活環境が整っている。実際の場面を想定しながら福祉用具に触れることができ、新しい製品やこれまで知らなった製品についても、その活用方法も学べるそうだ。まさに“環境を整えた”新しい発想の事務所が現われた模様だ。

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