見守り映像がアセスメント力向上に

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見守り映像がアセスメント力向上に

 介護・福祉サービス等の運営5法人からなる「あいリレー福祉事業グループ」(茨城県つくば市、村上義孝理事長)は、アルコ・イーエックス(ひたちなか市、木田文二社長)のカメラ型見守りシステム「ペイシェントウォッチャープラス」を18台、6事業所で運用する。

 同製品は赤外線カメラで①起床②離床③入床④就床⑤体動なし――を検知。介助者はPCやスマートフォン、タブレット端末等で通知を受け、かつカメラ画像で確認することで適切な訪室判断、見守りの負担軽減につながる。オプションの非接触型バイタルセンサーは身体のわずかな動きから脈拍・呼吸数を計測。数値が急変すると通知され、重度者にも対応できる。

 設置事業所の一つ「ショートステイ・あいリレーつくば」(つくば市)は37床の短期入所生活介護。退院後、施設入所待ちでの利用や、自宅で状態が悪化するが、入院までは至らない人の利用が多い。夜間は併設の小規模多機能型居宅介護(9床)とあわせて職員3人体制で見守りを行う。

 導入以前はマットセンサーのみだったが、「音だけの確認なので、通知のたびに駆けつけざるを得なかった。布団のずれや、円背の人の体動など誤報も多い」と管理者の澤邊晴美さん(介護福祉士)は話す。

 カメラで複数利用者を同時に目視でき、日中も不必要に他業務の手を止める機会が減少。業務負担が大幅に緩和された。「状態が分からないまま訪室する際の、職員の心理的負担を軽減できたことも大きい」(澤邊さん)。本体カメラは専用の支柱(独立タイプ)に取り付け、部屋間の移動も簡単。利用者の入れ替わりが頻繁なショートステイならではの使い勝手だ。

ペイシェントウォッチャープラスがベッド周りの動きを捉える

ペイシェントウォッチャープラスがベッド周りの動きを捉える

映像を教材に

 訪室の必要性は利用者個々のADL等をもとに判断。同グループ企画推進室の飯岡達郎室長代理は「映像から利用者の観察時間が増え、ADLやリスク度のアセスメント力が向上している」と説明する。

 例えば、ある利用者は日中、移乗介助を行っていたが、夜間の映像ではベッドからつかまり立ちができていたことが判明。「実は介助のし過ぎではないか、と気づかされる」(澤邊さん)。文書や口頭のみだった日中・夜間職員の申し送りにツールが一つ増え、ケアの方針が統一しやすくなったという。

 「家族やケアマネジャーも、自宅での様子を全て見られるわけではない。ショート利用前にいただく情報と実際の状態が異なるケースも多い」と飯岡さん。短期間でADL、生活パターンの把握が求められるからこそ、同製品の強みが活かせると話す。仮にショート利用中に転倒が起きた場合も、映像から原因究明が行え、家族へ適切に説明できるそうだ。

 飯岡さんは映像と人の目の役割分担が大切だと強調する。「全てをカメラに頼るわけではない。映像を見て少しでも不安を感じたら駆けつける。重度な人は呼吸の状態など、直接見なければ分からない情報も多い」。

(シルバー産業新聞2024年1月10日号)

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