注目の記事 PICK UP!

城東病院(甲府市) 介護医療院が地域・外来でフレイル予防

城東病院(甲府市) 介護医療院が地域・外来でフレイル予防

 医療法人慶友会城東病院(甲府市)は1983年開院、今年で40周年を迎える。2018年に介護療養病床を転換し、山梨県初の介護医療院を開設。8月現在、医療療養病棟120床、介護医療院114床を有する。訪問診療、訪問看護、訪問・通所リハビリなども提供する。

 同院が掲げる理念の一つ「医療・介護を通じて地域に貢献する」の実践へ、昨年からはフレイル予防の啓発にも着手。地域サロンや予防教室へ専門職を派遣する「こちたく」と、外来患者などが参加する院内サロン「かがやか」の2つが活動の軸となる。事務長の岡利樹さんは「在宅サービスに加え、専門職がもう一歩、地域へ踏み出す活動をしたかった」と経緯を話す。

フレイル予防+ACP

 「こちたく」は専門職による出前講座。フレイルの基礎知識から、予防に不可欠な運動・栄養・口腔・社会参加の各論と取組むコツを紹介する。主に講座を担当する作業療法士の石原光さん(4月より地域包括支援センター所属)は「『運動』と聞くと、体力的にキツい印象を受けてしまう。買い物など生活上のちょっとした動きも機能維持になる。これらを継続する大切さを伝えている」と説明する。昨年度は半年間で約30回の出前講座を実施した。

 同講座の最大の特徴は、ACP(アドバンス・ケア・プランニング=人生会議)について考えること。「意思が確認できないまま重度化、入所する人が多い。職員も意思決定支援に苦労している。もっと早い段階でできないかと考えた」(岡さん)。

 用いるのは、同法人が作成した「○年後のお楽しみ帳」。好きなものや嫌いなもの、1日の中で大切な時間などを書き出し、フレイルチェックも行う。次に、○年後に続けていたいこと、新しくやりたいこと、夢、自分・家族へのメッセージを書く。

 「小学校の卒業文集をイメージした」と石原さん。「元気なときにACPは唐突。これからの人生をどう過ごすか、何をしたいかをまず考えてもらう。その積み重ねが『最期をどう迎えるか』に結びつく」と強調する。半年など定期的に更新し、気持ちの変化や目標に向けた行動変容を見るという。

 こちたくは同法人の独自事業だが、他地区の地域包括からの依頼もあり、今後甲府市の委託事業として運営が広がる見込み。「ACPの導入として、お楽しみ帳を気軽に使ってもらいたい」と石原さんは期待を寄せる。

 こちたくの活動に伴い、同法人では訪問、通所サービスの利用が増加。「これまでは療養病床が主体なので『最期に入る施設』と地域から捉えられていたが、今は『地域活動が盛んな病院』へ認識が変わりつつある」と岡さんは手ごたえを感じる。現在は地域づくりのプロジェクトにも参画。防災などの地域課題へ行政や自治会と共に向き合う。

外来がサービス利用の起点に

 「かがやか」は院内の外来スペースに設ける集いの場。主には外来患者のフレイル予防を目的に月2回、体操教室やレクリエーション、季節のイベントなどを開催する。看護師の北野由香さんは「外来患者の多くは疾患の背景に生活面の問題がある。例えば食事量低下や認知症、家族関係。地域包括への相談や通いの場への参加もしていない。こうした人こそ早期に支援する必要がある」と話す。

 外来(内科)には認知症の認定看護師が常駐。診察時に生活状況を聞き取り、フレイルリスクや認知機能をチェックする。要介護認定、介護サービスの利用や、同院が運営する認知症カフェへつながるケースもある。

 また、診察の待ち時間にはACPの問診も実施。電子カルテに記録し、施設入所が必要になった際には施設と共有、生活上のサポートに役立てる。

 最近では、活動を知った地域包括の職員が支援の必要な人を連れて来ることも。「病気がなくても、気軽に来られる場にしたい」と北野さんは述べる。

 (23874)

(シルバー産業新聞2023年9月10日号)

元のページを表示 ≫

関連する記事

続きを見る(外部サイト)

関連記事

  1. シルバー産業新聞2020年1月20日号

  2. 手すり 貸与300万件、費用額もトップに

  3. 宮城県ケアマネ協「BCPの基本は普段力」

  4. HARAPAN 技能実習生の暮らし守る礼拝室付きカフェ

  5. 【22年10月新刊】改定2021年版 介護報酬ハンドブック 《追補版》

  6. 科学的介護推進体制加算 特養7割、老健8割、デイ5割

  7. EPA等 就労直後からの人員基準算入、結論は持ち越し

  8. 利用料2割負担問題で様々な疑問 宮下今日子

  9. ダスキンヘルスケア「彩食膳」 完全調理済み食材で省力化とコストダウン

PAGE TOP