通所系3割超が低栄養「把握せず」
日本健康・栄養システム学会は「通所事業所における口腔・栄養関連サービスに関する調査研究事業」の報告書をこのほど公表した。厚生労働省の2022年度老人保健健康増進等事業。通所介護580カ所、通所リハビリ472カ所へ利用者の口腔・栄養状態やケア内容、関連加算の算定状況などを聞いた。
また、「1カ月間に事業所の職員が口腔・栄養の問題に関して専門職へ相談したことがあるか」との問いには、通所介護の58.5%、通所リハの47.8%が「していない」と回答した。
管理栄養士が栄養・食事の支援目的で利用者と関わる機会が「あった」と回答したのは、通所介護17.2%に対し通所リハ39.6%。関わった内容では食事の観察(ミールラウンド)、食事の個別調整が上位に挙がった。
管理栄養士(外部の医療機関や介護施設、栄養ケア・ステーションとの連携も可)が専門的な栄養評価を行う「栄養アセスメント加算」を1人以上算定した事業所は通所介護3.8%、通所リハ13.6%。算定しない理由は口腔・栄養スクリーニング加算と同様だったほか、「内容や算定要件を知らない」が3割弱、「ケアマネジャーの理解や協力が得られない」が2割弱と、加算への理解が十分浸透していない実態もみられた。
一方、栄養改善加算、口腔機能向上加算を含めた4加算のいずれかを算定している事業所にメリットを聞くと、「誤嚥性肺炎の予防」が両サービスとも約6割でトップ。「食事量の改善」が続く。体重増やADL・IADL向上などの身体機能面だけでなく、利用者・家族の喜び、食べる楽しみといった意欲の実感も多く挙がっている。








