日本点字図書館 「聴く・触る・使う」で視覚障害支援導く
視覚障がい者に資料の貸出を行う点字図書館は、全国に76施設ある。国内最大規模の日本点字図書館(東京都新宿区)は、全国の利用者に点字図書や録音図書の貸出を行っている。蔵書数は点字図書約2万3000作、録音図書2万4000作で、年間貸出数は約18万タイトル。郵送が主だったが、インターネットが普及した近年では、点字ディスプレイ(ピンが上下に駆動し点字を形成するデバイス)や合成音声を活用したデータ配信の利用も増えたという。
設立以降、80年以上にわたって視覚障がい者の読書環境づくりに寄与し続けている。
共用品普及の始祖
同館の伊藤宣真本部長は「今でこそ日本には、視覚障がい者が判別できるように側面にギザギザがついたシャンプーボトルや点字がついたアルコール飲料の缶ぶたなど、多種多様な共用品がある。本間の欧米視察がなければ、これらの開発や製作は遅れていただろう」と確信する。
展示物に触れて鑑賞「ふれる博物館」
これまで他団体や企業の協力も得て、多彩な企画展を開催。細部まで再現された城とその内部間取りの模型や浮世絵の版木、恐竜の化石など、バラエティに富んだ展示を行ってきた。
視覚障がい者以外の来館も多く、中には他博物館の学芸員もいるという。伊藤氏は「一般の博物館でも、視覚障がい者にどうやって展示を楽しんでもらえるか模索しているのだろう」として、今後様々な公共施設でも視覚障がい支援への取組みが進むことへの期待を語った。






