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DXは若手が先生

DXは若手が先生

 コロナ禍も3年目を迎えた医療介護の現場に衝撃が走った。内閣府の規制改革推進会議で、施設の人員配置基準を3対1から4対1に間引く提起があったからだ。人手に依拠した業務は、社会の人口減少によって、そのままでは業務の継続が困難になることは、以前から分かっていた。

 2000年当初、要介護認定者数と介護人材数はほぼ4対1だったが、近年までは介護人材の伸びが認定者数の伸びを上回り、3.2対1まで改善した後、いま反転が始まっている。今回の提起の背景だ。

 しかし、施設人員基準の3対1は最低基準であり、ユニット型ケアでは2対1が当たり前だし、2.5対1を維持できない施設ではサービスが回らず、よい人材も集まらないとも言われる。21年改定で導入されたLIFE(科学的介護情報システム)の推進は、自立支援に向けた事業所の取組や成果の見える化であり、たとえ人材不足に陥っても、ケアの手を抜くことは見逃さないという厚労省のスタンスなのだ。

 一方、DX(デジタル・トランスフォーメーション)は待ったなし。石山麗子さんは本紙連載「未来のケアマネジャー」の中で、介護現場のIT化の遅れに繰り返し警鐘を鳴らしてきた。介護現場から国際医療福祉大学大学院の教授に転身した同氏は、パソコンやインターネットの扱いに慣れず、苦心惨憺のケアマネジャーらの現状をよく知っている。一つ分かれば、一つ忘れる、これを繰り返しながら、何とか前進している姿を。

 DXを介護現場にだけ任せておいては手遅れになる。デジタル化はもう後戻りはできないのだから、社会全体で、手取り足取り、横で教えてくれる先生の配置を真剣に検討する段階にあるのだと思う。デジタル庁もできた。幸いにも、医療介護現場には、若い世代も多い。彼らのみずみずしい感性と記憶力を現場の資産として活用する。当然に、現場のDX先生としてリスペクトし、報酬を上乗せする。

 早くも、国の介護保険部会などの場で24年改正論議が始まろうとしている。

(シルバー産業新聞2022年1月10日号)

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