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食材高騰、食事の変化を要観察  中村育子

食材高騰、食事の変化を要観察  中村育子

食材の価格がなかなか安定せず、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。報道によれば、今年1~10月の間で値上げされた食品数は3万品目を超えたそうです。

食費の高騰で心配なのは、これまで購入していた食材の買い控えによる食事量・栄養量の低下、または偏りです。
 私が住む北海道・名寄では、卵の高騰が顕著です。鳥インフルエンザが流行した影響もあり、スーパーでも品薄の状態が続きました。一方で、魚類や豆腐・大豆製品は比較的安定した価格で推移しています。

 市の社会福祉協議会が高齢者に配布している「こんにちはレター」では毎号、簡単調理で栄養が摂れるオリジナルレシピを掲載していますが、食材費の情勢を踏まえ、今年に限っては卵を使用したレシピはほぼ紹介していません。
 経済状況を加味した食支援も、在宅ケアに必要な視点です。まずは価格高騰で食生活に変化が生じていないか、意識的に見るようにしましょう。

 食事の変化は、本人の口からは言い出さないことのほうが多いです。かといって、いきなり「冷蔵庫の中を見せてほしい」とお願いするのも抵抗があるでしょう。その場合、例えば自分自身のことから雑談ベースで話してみてはいかがでしょうか。「最近、牛乳を安い低脂肪タイプに変えた」「お肉は高いのであきらめた」などと打ち明ければ、「実は私も…」と情報をもらえるかもしれません。

代用食材で乗り切る

 独居の人で陥りやすいのが、おかずが買えなくなって、パンやカップラーメンでお腹を満たしてしまうケース。エネルギーは十分でも、たんぱく質不足を招く可能性が高くなります。
 例えば、卵が高くて買えなくなった場合は、大豆・豆腐製品で代用することを提案してみて下さい。厚揚げは炒め物や煮物にも広く使えるのでおすすめです。また、魚が高い場合はツナ缶や冷凍のシーフードミックスで対応できます。安価な上に調理も簡単、長期保存が可能ですので、普段使いとしてもストックしておきましょう。

 そして、肉はひき肉やソーセージでも十分です。もし「外国産の肉は臭みが…」という人がいましたら、ニンニクやショウガ、香味野菜をふんだんに使ってみて下さい。これで結構、臭みは消すことができます。

比較的安価でたんぱく質を摂取できるメニュー例。
(左)カレイをソテーしあんかけ風に
(右)豚肉と厚揚げのキムチ炒め

 (24100)

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