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働き方で人材不足に対処

働き方で人材不足に対処

 西中国山地国定公園の豊かな自然に恵まれた広島県安芸太田町に行った。高速道路を、1000mを超える山々の深い谷をぬうように走ると、広島市内から1時間あまりで目的地に着いた。高速を抜けて町に入ると地元に入っても道はきれいに整備され、道沿いに家々や工場が点在する。事前に知ってなければ、この山間の町が県内でもっとも高い高齢化率52%の自治体だとは信じがたかっただろう。冬場は豪雪となり、スキーで知られるが、ひなびた様子をかってに想像していた記者には驚きだった。

 日本福祉用具供給協会広島県ブロックで展開する介護ロボットプラットフォーム事業の取り組みの取材で、全室に見守り機器を導入した特養「寿光園」を訪問した。町の介護保険最大の課題は、人手の確保。介護ロボットやICTを導入して介護負担の軽減を図り、介護現場の魅力を発信して人材を確保したいというねらいだ。次号の地域特集「広島の介護保険」で詳しく紹介する予定。

 ここ寿光園では、週休3日制の導入や高速代の施設負担など町外からの人材確保策の検討も俎上にのぼっているという。「空気や水のきれいなこちらで週4日を単身赴任で働き、残る3日は便利なところで家族と過ごす」という提案だ。1日の労働時間は2時間増えて10時間になるが、施設介護などの仕事では、様々な形での新しい就労&生活スタイルも可能になるに違いない。仕事のスタイルを変えることで人材難を乗り越える道もあるかも知れない。コロナ禍の中で、オンラインによるリモートワークなども進んだこともある。近い将来、自動運転技術が進めば、遠い道のりであってもスマートに行き来できる可能性もある。

 本紙地域特集では、全国津々浦々、介護サービスの展開を追いかけています。本7月号は新潟、8月号広島、9月号は石川の予定です。

(シルバー産業新聞2022年7月10日号)

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