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薬剤師会 居宅療養、遠隔での提供実態の把握

薬剤師会 居宅療養、遠隔での提供実態の把握

 薬剤師による居宅療養管理指導の算定件数は毎年10~20%増で推移している。その大半は薬局からの訪問。2021年介護報酬改定では、情報通信機器を用いて遠隔で実施した場合の報酬(45単位/月1回まで)が新設され、今後の算定動向が注目される。また、8月からは薬局の機能として、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を基本としつつ、入退院時の医療機関等との服薬情報等の連携が求められる「地域連携薬局」の認定が始まった。介護報酬改定の評価、および地域、在宅における薬局・薬剤師の役割について日本薬剤師会の荻野構一常務理事に聞いた。

 全国で約6万カ所ある薬局のうち、居宅療養管理指導を行う薬局は2.5万カ所以上にのぼる(19年時点)。どの地域でも居宅療養管理指導が提供されるよう、訪問できる薬剤師の育成、薬局の確保を進めているところだ。

 居宅療養管理指導(薬剤師)の基本報酬は、集合住宅などの単一建物に居住する利用者が「1人」「2〜9人」「10人以上」で分かれる。今回の改定では「1人」は509単位から517単位へアップしたが、「10人以上」は345単位から341単位へ引き下げられた。

 これは、1回の訪問で対応する利用者が多いほど、移動時間が短いだけでなく、利用者個々への対応時間も短いという調査結果に基づいた改定だと受け止めている。

 また、新設された情報通信機器の活用については、20年診療報酬改定で「在宅患者訪問薬剤管理指導料在宅患者オンライン服薬指導料」が新設されており、介護保険でも整合性をとった形だ。多様な利用者のニーズへ対応し、継続的な服薬指導を目的としている。

 実際に、オンライン服薬指導料は、利用者のどのようなニーズに基づいて、実施しているのかなど、算定の実態については、まだ我々も把握できていないのが現状で、今後どのような状態の利用者については有効活用できるのか、オンラインによるメリットやデメリットにはどのようなものがあるかなど、情報を集め、適切な検討を進めていきたい。

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医療保険における「在宅患者訪問薬剤管理指導料」の算定回数は横ばいだが、介護保険における「居宅療養管理指導」は増加している

対象者を限定しない「健康サポート薬局」

 薬剤師の居宅療養管理指導が伸びている背景としては、薬局の在宅・地域展開に向けた国の諸施策が大きい。最近で言えば、厚労省が15年に策定した「患者のための薬局ビジョン」が起点の一つとなっている。

 ここでは「かかりつけ薬剤師・薬局」の機能を①服薬情報の一元的・継続的把握②24時間対応・在宅対応③医療機関との連携――と明記。翌16年の診療報酬改定では「かかりつけ薬剤師指導料」として位置付けられた。

 患者・利用者からすると、シンプルに「よく利用する薬局」だと思ってほしい。同じ薬局に通うことで服薬履歴の把握が容易になり、薬効が同じ薬の重複や、副作用リスクの早期発見・対応につなげられる。

 このかかりつけ機能に加え、病気の予防や健康相談などにも対応するのが「健康サポート薬局」だ。薬以外に健康食品や栄養、介護に関するアドバイスや、適切な商品・サービスの紹介を行うことが期待される。16年より登録が開始され、今年3月末時点で約2500カ所が届出を行っている。

継続支援・地域連携を法制化

 こうした流れを汲み、2019年の薬機法改正では薬局の定義を「調剤を行う場所」から「調剤だけではなく、薬剤や医薬品に関する情報提供や指導を行う場所」に改正。調剤後の継続的な服薬状況の把握・指導が法的に義務づけられた。

 そして、今年8月からは新たに「地域連携薬局」の認定が開始したところだ。かかりつけ薬剤師・薬局の機能を基本としつつ、入退院時の医療機関等との服薬情報の連携が求められる。

 具体的には▽間仕切り等、利用者のプライバシーに配慮した相談窓口の設置▽地域包括ケアシステムに資する会議への継続的な参加▽1年以上継続勤務している常勤薬剤師が半数以上▽月平均2回以上、在宅医療に関する取組を実施――などが基準。より積極的な地域・多職種との関わりが期待できる。

 例えば「薬の副作用でふらつきがあるためリハビリの効果が出にくい」「多剤服用の改善に向けた提案」など、薬学的な観点から利用者の生活や介護サービスに対する助言・支援を行える立場へと発展するだろう。

 薬学生が学校で最初に学ぶことは「その人にとって必要最小限の薬をどう効果的に提供していくか」。当会でも多剤服用などによる有害事象(ポリファーマシー)の症例の検討会なども行っている。

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(シルバー産業新聞2021年8月10日号)

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