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上島町 高齢化率47% 医療系サービスがない離島

上島町 高齢化率47% 医療系サービスがない離島

 上島町は瀬戸内海のほぼ中央に位置し、25の有人・無人島(総面積30.38平方キロメートル)からなる。有人島は弓削島・佐島・生名島・岩城島・魚島・高井神島の6島。人口は4月現在6187人、30年間で約36%減少している。高齢化率は県で3番目に高い47.63%。同町健康福祉部健康推進課の村上栄子課長補佐は「高校卒業後に進学・就職などで町外へ出ていく人がほとんど。若い職員が集まらないという声が、どの介護事業所からも上がってくる」と話す。

 町内の介護サービスは訪問介護4、地域密着型通所介護6、小規模多機能2、福祉用具貸与1、グループホーム1、特養1カ所。昨年3月に岩城島と生名島を結ぶ岩城橋が完成し、魚島・高井神島を除く4島が「ゆめしま海道」として陸上交通が可能となった。「訪問介護や通所介護は、今までより事業所を選べるようになった」(村上氏)。

 訪問看護や訪問リハビリなどは町外からの提供。6カ所ある診療所(うち歯科2カ所)はいずれも無床で、入院や透析などの専門的な治療が必要な場合は海を渡らなくてはならない。立石港から数分で行ける因島(広島・尾道市)へ出る人が多い。同町では75歳以上の全高齢者へ、フェリーを60回分利用できる優待券を年度ごとに配布している。透析などで頻回な通院が必要な人には追加提供も行う。

 同課青木麻衣係長は「島内の公共交通は町営バスのみでタクシーは走っていない。高齢で免許の自主返納も進んでいる。通院介助のたびに、町外に住む子供が島まで戻ってくるケースもある」と、港までのアクセスも課題の一つだと説明する。

 20年度のサービス別月平均利用者数(予防含む)では、居宅介護支援を除き福祉用具貸与が200人で最多。地域密着型通所介護125人、訪問介護76人、特養63人と続く。

 「コロナ禍の当時は利用控え、外出控えも相当あった」(村上氏)。

 元気高齢者は介護保険外サービスを担う貴重な人材。家具移動や粗大ごみの整理、墓地の手入れ、話し相手などのニーズが高いそうだ。

(シルバー産業新聞2023年8月10日号)

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