「貸与・販売種目あり方検討会」 販売種目にも支援必要
厚労省「第2回介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」(座長・野口晴子早稲田大学政治経済学学術院教授)が3月31日、介護保険施行時と現在の状況を踏まえたレンタルと販売の整理と、福祉用具貸与利用者に対するケアマネジメントについて論点整理に向けた活発な議論が行われた。「販売種目にも利用後の支援が必要」、「安全な利用のためにも貸与原則」など注目の発言があった。
論点「貸与と販売の考え方の再整理の必要性」
(委員)「貸与の仕組みで気軽に借りて使えるのがよい。販売では使わず、ヘルパーなどの代替サービスで逆に高くなる」(日本福祉用具供給協会小野木孝二理事長)、「貸与原則は利用者の自己決定と自己実現を叶えるためにある」(シルバーサービス振興会久留善武事務局長)、「レンタルのメリットに、状態像などに応じて借り換えができる基本理念に加え、安全利用にも寄与している」(テクノエイド協会五島清国企画部長)「貸与と販売では、福祉用具専門相談員のモニタリングやメンテナンス、ケアマネジャーの支援の在り方などに相違があるのはなぜか。安全な利用は共通なのに、見直す必要があるのでは」(健保連幸野庄司理事)
論点「利用者の状態を踏まえた対応」
論点「福祉用具使用に関するモニタリング・メンテナンス等」
(委員)「コスト低減を優先し安全性をないがしろにした製品の販売拡大を懸念する」(日本福祉用具・生活支援用具協会松永紀之副会長)
論点「ケアマネジャーによる支援(ケアプラン作成、モニタリング、サービス担当者会議等)」
(委員)「結果として福祉用具のみのケアプランであっても、毎月のモニタリングで利用者の詳細な状況を確認し、対面でないと把握できないことも多い」(マロー・サウンズ・カンパニー田中紘太社長)。「本協会で福祉用具の単品プランの実態調査を実施中。医療や制度外支援を行っているケースが多い」(日本介護支援専門員協会濵田和則副会長)
論点「経済的負担」
(委員)「一定の経済的負担感のあるものを給付の対象とするが、具体的な金額はだれも示すことはできない。この項は削除してよい」(国際医療福祉大学大学院東畠弘子教授)。「導入時にあらかじめ利用期間を想定して貸与か販売は決められない」(全国福祉用具専門相談員協会岩元文雄理事長)
次回、第3回は4月21日(木)の予定。
(シルバー産業新聞2022年4月10日号)