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全国老施協 現場を支える組織改革

全国老施協 現場を支える組織改革

 前期に引き続き会長を務めることとなった。今期は「現場とつながり、現場を支える全国老施協の実現」を掲げ▽介護現場の革新▽広域感染症対策を含む災害対策の強化▽介護報酬改定への対応――を重点目標としている。

 介護現場の革新では、介護業務の仕分けやICT・介護ロボットの活用を推進し、職員の負担軽減や職場環境の改善を目指す。1法人1施設だけで取組めることには人材的にもコスト的にも限界があり、現場革新の取組みは必要不可欠だと考えている。

 しかし、介護現場でのICT・介護ロボット導入を妨げる要因として①コスト②機器の知識不足③業務負担④心理的な抵抗感――などがある。

 現在、北九州市が取り組んでいる介護ロボットの普及支援事業をモデルに、全国8カ所の特養で先駆的にICT・介護ロボット導入の実証事業を行っている。老施協の強みの会員同士が繋がれる点を活かして、成功事例を横展開していきたいと考えている。

 生産性向上に取り組むことで、働き方が改善され人材の定着や、介護の魅力発信にも繁がる。新しいことにチャレンジすることも大切だ。

感染対策や災害対応への支援を強化

 新型コロナウイルス感染症については、感染拡大当初から現場への手厚い支援が必要だと考え、1億3000万円の補正予算を組んだ。協議会として、衛生用品の支給や、感染対策のフローチャートや動画の作成、感染者発生時の応援職員の体制等を構築した。

 ワクチン接種も順調に進んでいたが、変異型の感染拡大により入所者・職員ともに2回のワクチン接種が完了した会員施設で、ブレイクスルー感染によるクラスターが発生した。結果的に亡くなられた方はいなかったが、ワクチン接種後も引き続き気を引き締めて感染対策に取り組む必要がある。

 全国老人保健施設協会などの業界団体と感染拡大の状況を共有し、より現場を守れる支援の検討や国への提言を適宜行っていく予定だ。

 災害対策についても強化していく。20年7月に発生した豪雨により熊本県球磨川が氾濫し、特養「千寿園」で14人の入居者が犠牲となった。

 そして21年度介護報酬改定では災害BCP(業務継続計画)作成が義務付けられ、23年度までに作成する必要がある。協議会としても作成率100%を目指して支援を行っていく。

 特養は河川敷や山のふもと等に建設されているところも多く、介護保険制度創設から20年を迎え、建て替えの時期にも入っている。 そこで、会員施設の立地等の現状を把握し、建て替えに関する補助の上乗せの必要性等を調査していく。

 災害対策は利用者の命に関わることであり、安心・安全のサービス提供のためにも早急に取り組んでいく。

 今回の役員人事では、福島県にある社会福祉法人みしまの理事長を務める秦千代栄氏(特養「桐寿苑」)が副会長に就任し、震災からの復興や地方での人材不足等の課題に取り組んでもらう。

アプリを活用した現場ニーズの把握

 今回の介護報酬改定ではLIFEという新しい仕組みが動き出している。現場では入力の負担や登録の困難さから、取組みが進んでいない。

 そこで、現場がより負担なく介護業務に向かい合えるよう、国から発出される介護報酬関連の情報をわかりやすく発信するため、ホームページを全面的に見直した。LIFEへの取組方法や、現場で活用できる補助金等の情報を解説する等、必要な情報が見つけやすくなった。

 この他、今年6月からは会員向けのデジタルアプリ「老施協.com」とwebメディア「老施協デジタル」の運用を開始した。アプリでは協議会からの情報発信のほか、会員同士の交流が可能で業務等の相談ができる機能もある。

 現場の生の声を蓄積して、正確にニーズに対応できるよう協議会としての取組みに反映していく。

(シルバー産業新聞2021年10月10日号)

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