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BCP未算定事業所 基本報酬減算を提起

BCP未算定事業所 基本報酬減算を提起

 厚生労働省は11月27日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催、2024年度から義務化される業務継続計画(BCP)が未策定の場合、3年間の経過措置期間を設けつつ基本報酬を減算する案を示した。ただし、サービスによって対応が異なり、通所系や施設系などでは、BCPとは別個の感染症指針や非常災害対策計画が策定済みでないと来年度から減算適用となる。注意が必要なのは、減算導入によって、策定義務の経過措置が延長されるわけではない。来年4月以降に未策定の場合、運営基準違反となり、行政指導の対象となることは変わらない。さらに、報酬上のペナルティも設けるのが今回の提案だ。唯一、大半がみなし指定である居宅療養管理指導のみ、BCP策定の経過措置期間そのものをさらに3年間延ばし、当面は減算の対象にもしない案も示している。

4月から完全義務化、未策定は基準違反

 21年度介護報酬改定で、感染症や自然災害発生時のサービス継続・早期業務再開に向けたBCPの策定と、計画に沿った研修・訓練の実施などが、全ての介護サービス事業所に義務化された。来年3月末で経過措置期間を終え、今回経過措置が延長された居宅療養管理指導以外は、未策定の場合、運営基準違反となる。

 同省によると、今年7月時点での策定状況は、感染症BCPで「策定中」54.6%、「策定完了」29.3%、「未着手」15.6%。自然災害も同様の傾向だ。規模別にみると、職員数50人以上の事業所は「策定完了」が4割強を占める一方で、9人以下の小規模事業所は23.3%に止まる。サービス別にみると、未着手の割合が2割を超えているのは▽福祉用具貸与・販売(32.8%)▽訪問リハビリテーション(24.5%)▽地域密着型通所介護(23.5%)▽訪問介護(20.2%)――の4サービス。

居宅介護支援など3年間は減算の対象外

 同省の提案はBCPの「未策定減算」を導入し、報酬上のペナルティも設けるもの。介護事業所は、感染症と自然災害それぞれでBCPの策定が義務付けられており、一方でも未策定だと基本報酬を減算する考えだ。

 具体的には、「感染症、自然災害のいずれか、または両方のBCPが未策定の場合、基本報酬を減算してはどうか」としており、両方が未策定の場合は減算幅がより大きくなる可能性もある。

 未策定減算は、適用までに3年間の経過措置を設けることもあわせて提案されたが、サービスによって対応が異なる(表)。

 通所系、施設系、多機能系、居住系では「感染症の予防及びまん延防止のための指針」(感染症指針)と「非常災害対策計画」が策定されている場合に限り、3年間は減算が適用されない。未策定の場合には、来年度から減算適用となるため、注意が必要だ。

 居宅介護支援や訪問系、福祉用具は無条件で26年度末まで減算の対象外となる。これらのサービスでは、非常災害対策計画の策定が求められていないことなどを理由に挙げる。BCPが感染症や自然災害の発生後の早期復旧や事業継続について計画を立てるのに対し、感染症指針や非常災害対策計画は、感染症や災害の発生前・発生時の対策を中心に置いたもの。

 居宅療養管理指導は、大半がみなし指定であることなどを踏まえ、BCP策定の経過措置期間そのものを3年間延長し、当面は減算の対象にもしない方針。今後、策定状況の把握や周知徹底を行い、BCPに関する取組みの推進に向けて関係部局と連携を図る。

地域住民連携の防災訓練 27年度に対応検討

 非常災害対策計画の策定が義務づけられているサービスでは、地域住民と連携した訓練の実施も努力義務となっている。これに対して、「さらなる対応」を27年度の介護報酬改定で検討することも同省は提案した。

 また、同省によると、防災訓練に地域住民が参加していない割合は48.7%。地域住民の参加を推進するため、まずは好事例の横展開などで取組みを促し、27年度改定では完全義務化なども含めた検討を行うとみられる。

(シルバー産業新聞2023年12月10日号)

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