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埼玉県 オンラインサロン、支援推進協議会発足など枠組み続々

埼玉県 オンラインサロン、支援推進協議会発足など枠組み続々

 埼玉県は2020年3月に全国初となる「ケアラー支援条例」を制定した。ケアラー・ヤングケアラーが健康で文化的な生活が送れることを目的とし、オンラインサロンの立ち上げや小中高生を対象にしたハンドブックの配布など、支援に向けた様々な施策を行っている。条例制定から2年が経過した今、取り組みはどう進んでいるのか。県地域包括ケア課主幹の柳田功治氏に聞いた。

 埼玉県はケアラー条例策定後に県内全ての高校2年生を対象に「埼玉県ケアラー支援計画のためのヤングケアラー実態調査」を実施。「全体の約4%がヤングケアラー。衝撃的な数字だった」と柳田氏は振り返る。

 これを受け県は▽人材の育成▽支援体制の構築▽広報啓発の推進――の3つを柱としてアプローチをはじめた。

 人材育成ではヤングケアラーの早期発見・対応に繋げるための研修実施や、専門人材の育成に取組む。研修では子供の日々の様子を知る学校、教育委員会などの教育部門の職員と、地域包括支援センターの主任ケアマネや自治体の福祉部門の職員が合同で研修を行う。多職種の見識を深める他、教育現場が受けた相談を適切に福祉関連部署に共有するための体制構築を目指す。

 支援体制の構築では、ヤングケアラー同士がオンラインで悩みや不安を共有できるオンラインサロンを立ち上げた。大学生の元ヤングケアラーが運営に携わり、昨年度は6回開催。

 柳田氏は「県の実態調査によると、孤独を感じる、ストレスを感じると回答したヤングケアラーが20%近くいた。同じような状況にいる仲間と繋がれる場所作りが大事」と強調する。

 広報啓発の推進では、11月を「ケアラー月間」として定め、啓発イベントの開催や県民向けリーフレットや、小中高生を対象に相談先を記載したハンドブックを配布した。

 今後の県の取り組みについて柳田氏は「普及啓発を進め、ヤングケアラーの可能性がある人をできるだけ発見・把握しようとし、人材育成を進めてきた。そこからどのようにケアの負担軽減、あるいは支援体制の構築に繋げていくかが課題だ」と見通しを語る。併せてヤングケアラー支援の事例を共有しながら、より実効性の高い施策に反映していく。

支援拡充へ協議会発足

支援推進協議会初回の様子。事例共有を軸に進んだ

支援推進協議会初回の様子。事例共有を軸に進んだ

 埼玉県は6月17日には「ヤングケアラー支援推進協議会」(田中悠美子座長=立教大学コミュニティ福祉学部助教)の初会合を開いた。これまで県ではヤングケアラー早期発見に向けた人材育成や体制づくりに取り組んできたが、発見後の支援方法や体制が確立されていなかった。

 協議会では、地域のヤングケアラー支援者向けの手引きの作成、支援に向けた課題共有と連携体制作りを議論。このうち支援者向けの手引きは、地域活動者向けと公的機関向けの2種類を作成する考えで来年2月の完成を目指す。

 ヤングケアラーの発見・支援に繋げた事例も報告された。家庭訪問をきっかけに支援に繋げたケースでは、子どもの学習・生活支援を行う民間団体の委員から、不登校事例として家庭訪問を行った際に当該児童が精神疾患を持つ親の代わりに家事全般を担っている状況であることが発覚。継続的に関わりを持つ中で、学習・生活支援に繋げたところ、学力が回復し登校ができるようになった例が共有された。

 今後、県は協議会での議論を通じて関係機関同士のネットワーク連携をより強化し、市町村におけるヤングケアラーの早期発見や包括的な支援体制の構築に繋げていきたいとしている。

(シルバー産業新聞2022年7月10日号)

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