介護を良くし、良い職場づくりを支援するテクノロジー活用
新たな取組をするための「時間を創り出すこと」に着目した、北九州発の介護ロボットやICTなどテクノロジー活用のための伴走型導入・活用支援「北九州モデル」が注目を集めている。「北九州市介護ロボット等導入支援・普及促進センター」(事務局:麻生教育サービス、樽本洋平センター長/理学療法士)で取り組まれており、実際に介護施設に訪問しながら「現状の業務仕分け→ICT・介護ロボット等の活用→業務オペレーションの整理」の3段階で進めるのが特長。同モデルへの期待は高く、厚生労働省「介護ロボットの開発・実証・普及プラットフォーム事業」で全国17カ所に設置されている相談窓口でも、本年度より、伴走型支援の取り組みが一部で開始され広がりをみせている。
北九州モデルによる支援は年間5施設で実施。コロナ禍による中断を挟み、これまでに市内15施設に伴走型導入・活用支援をしてきた。24年度は応募多数により来年度以降に支援待ちが発生するほど、介護施設に定着してきた。
時間を創り、人に還元する
これにより専門職は、より専門性の高い業務に集中できるようになる。
市内の介護施設での実践では看護・介護の全体業務時間を35%短縮し、記録時間を49%短縮するなど時間を作り出した。これにより直接介助業務時間が2割増え、職員一人当たりの利用者との会話時間も2.5倍に増やすことに還元できた。
その結果、利用者のQOLレベルを維持させることにも成功。利用者・スタッフ・経営者の三方よしの取り組みといえる。
「使う人を育てる」「活用する組織づくり」も
同センター長の樽本氏は「介護ロボットやICTは導入して終わりではない。継続して活用していく中でPDCAサイクルが重要になる」と、施設内部にテクノロジー活用を推進する組織づくりも重要と話す。