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グローバル社会の戦争抑止力

グローバル社会の戦争抑止力

 ロシアが隣国ウクライナへ武力侵攻し、都市が破壊され、市民を含め多くの犠牲者を出している。同じロシアの隣国日本でも、SNSを通じれば、私たちもウクライナ全土で空襲警報が鳴っているのが分かる。1日、侵攻するロシア軍がプーチン大統領の指示で、戦略核部隊が特別態勢に入ったと発表し、国際社会の緊張は一段と強まった。

 同1日、国連人権理事会では、ロシアのラブロフ外相のビデオ演説が始まると、議場にいた外交官ら100人が一斉に席を立った。翌2日の国連総会では、ロシア非難決議が141カ国の賛成で採択された。中国は「反対」できず、「棄権」に回らざるを得なかった。

 岸田文雄首相は1日、「唯一の戦争被爆国、被爆地広島出身の首相として、核による威嚇も使用もあってはならない」とロシアを強く批判、2日にはポーランド政府首脳と協議し、ウクライナからの避難民の受入を表明した。万一、中国による台湾への武力攻撃があった場合にも、台湾からの大量の難民を日本は受け入れるというメッセージとも受けとれる。核による威嚇に、EU(欧州連合)の国際決済システムからのロシア銀行締め出しなど、経済・財政制裁も拡がっている。アップルがロシアでのiPhoneの販売を中止したり、ディズニーが新作映画のロシアでの公開中止を発表した。21世紀のグローバル社会での国際社会の戦争抑止力の新しい形が見えた。

 「戦争の惨害」を終わらせたいと決意の中で署名された国連憲章(1945年6月)は、「国連の目的は、国際の平和及び安全を維持すること。国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって、正義と国際法の原則に従って実現すること」と記した。同様な思想をもつ日本国憲法前文(1946年11月)は、「日本国民は、恒久の平和を念願し、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と記述する。国連憲章や日本国憲法前文に記された、平和と安全を守る方法論が実践されようとしている。

(シルバー産業新聞2022年3月10日号)

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