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コロナ発生で医療班派遣 達成率65% 都道府県差大きく

コロナ発生で医療班派遣 達成率65% 都道府県差大きく

 新型コロナウイルスオミクロン株の感染拡大を受けて、高齢者施設への医療支援体制の強化は喫緊の課題である。厚生労働省は、高齢者施設からのコロナ発生の報告を受けて、24時間以内の感染制御・業務継続支援チームの派遣体制、医師や看護師による往診・派遣を依頼できる医療機関の事前確保の徹底を都道府県に対し要請、報告を求めている。

 4月28日時点の集計結果では、高齢者施設へのコロナ発生時の連絡・要請窓口の周知、24時間以内の感染制御・業務継続支援チームの派遣要請に関しては全都道府県で達成できたものの、医師や看護師による往診・派遣を依頼できる医療機関の事前確保に関しては都道府県間でのばらつきが大きく、達成率は全体の65%にとどまった。未回答の施設も多く、厚労省は、さらなる体制の充実と集計結果の報告を各都道府県に求めた。

感染制御・業務継続支援体制の構築

 今回の集計では、全都道府県より「施設等からの連絡・要請を受けて24時間以内に感染制御・業務継続支援チームの派遣を要請できる」と回答を得た。さらに国内約5.6万の全ての高齢者施設等に都道府県よりコロナ発生時の連絡・要請窓口についての周知を行った。

 高齢者施設に感染制御・業務継続両面で支援可能な専門チームの医療従事者数は、全国で約3600人(3月14日時点では、約3400人)と拡充された。都道府県別では、1位群馬県400人、2位北海道328人、3位新潟県280人と続く。感染制御・業務継続支援チームは感染者が出た場合の初期段階の対応を想定している。今回の結果より、高齢者施設のコロナ発生時の初動体制では一定の成果が得られたといえるが、支援チームの人数に関しては都道府県ごとの差が大きく今後の課題となる。

往診・派遣体制の構築

 協力医療機関を事前に確保している、または自治体が指定する医療機関や医療チームの往診派遣を要請できると確認できた高齢者施設は約3.6万施設で、全国平均で65%にとどまった。

 都道府県別では、達成率100%から10%台まで大きなばらつきが見られた。業種別では確保できている割合(全国平均)が多い順に、1位介護老人福祉施設78.8%、2位養護老人ホーム76.7%、3位介護老人保健施設76.1%と続く(表)。

 今回の集計では、約3.8万施設からの回答を得たが、残りの施設は未回答であった。未回答の割合(全国平均)が高かったのは、1位有料老人ホーム38.8%、2位サービス付き高齢者向け住宅38.3%、3位認知症対応型共同生活介護32.8%であった。これらの施設を含め、さらなる現状の報告が求められる。

 高齢者施設等において必要な医療を提供するため、往診・派遣に協力する医療機関数は、約3100機関(3月14日時点では、約2200機関)と増加。各施設での感染状況や利用者の症状などに応じた治療・継続的な介入は、協力医療機関や医療チームが担う。「構成メンバーは、もともと所属する施設との兼任が多く、本事業に充てられる労力にも限りがある。過去の感染状況をかえりみながら各都道府県でのさらなる体制の充実を目指してほしい」と阿波圭介厚労省老健局調整官は語る。

さらなる医療支援強化の徹底を

 今回の調査結果を受けて厚労省は、引き続き、全ての高齢者施設への①24時間以内の感染制御・業務継続支援チームの派遣体制②医師・看護師による往診・派遣体制の構築の徹底――を各都道府県に求めた。特に、「医師・看護師による往診・派遣体制」に関しては、コロナ陽性者が発生した場合の治療・管理方針に直結し、行政と各施設間での対応方針の事前共有にとって重要だ。

 厚労省は5月19日を目途に、回答のなかった高齢者施設からの現状の集計を都道府県に要請した。さらに、今回の調査で回答のあった高齢者施設に対しても、全ての施設で協力医療機関を事前確保、または自治体指定の医療機関や医療チームの往診・派遣を要請できる状況とするよう改めて求めた。今後の集計の追加報告が待たれる。

(シルバー産業新聞2022年6月10日号)

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