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栄養情報を活用するのは誰?

栄養情報を活用するのは誰?

次期介護報酬改定では口腔・栄養管理の充実、入退所時の連携を促進する案が示されています。その一つが、介護施設が退所先へ栄養情報を提供することへの評価です。診療報酬では20年改定で「栄養情報提供加算」(50点)が新設されました。入院中の栄養管理等に関する情報を、在宅の担当医療機関等へ提供することが要件です。今回はその介護バージョンです。

 厚労省の資料では、情報提供元は「介護施設の管理栄養士」とされています。日頃から栄養マネジメントを行っている施設でなければ難しいでしょう。管理栄養士の手厚い配置、頻回なミールラウンド等を要件とする「栄養マネジメント強化加算」の算定施設での実践が期待されます。

 同加算では既に、低栄養リスク者の栄養情報を退所時に提供することが要件に入っています。
また、情報提供先については「他の介護保険施設や医療機関等の医師または管理栄養士、および介護支援専門員」とされています。他施設への入所、入院、在宅復帰と、さまざまな退所先を想定していることが分かります。

施設・病院・在宅へ栄養情報をカスタマイズ

 この加算(仮)の実効性を高めるには、退所先の誰が栄養ケアの主体になるかを踏まえなくてはなりません。
他施設への入所は、共通言語が比較的多いほうです。ただ、食形態の分類方法が施設独自の場合は注意が必要です。例えば、単に「きざみ」ではなく、「2~3㎝角」や「0.5㎝角」と具体的に書く、または日本摂食嚥下リハビリテーション学会分類に変換するなど、客観性が必要です。

 入院は、骨折や誤嚥、発熱、感染などによる一時的なものが想定されます。しかし医療機関は治療が最優先であり、利用者は状態が不安定かつ生活環境の急変で食欲が低下するなど、短期間で低栄養、ADL低下に陥るケースがあります。
血清アルブミン値や血糖値は入院先の検査で把握できます。では、医療機関が必要とする栄養情報はどのようなものでしょうか?食に対する嗜好性、認知症状を踏まえた食事・生活の様子が大切だと私は考えます。

 食べやすい姿勢と、必要なテーブル、いす、食器具の調整。介助の仕方や声かけの方法。好きな食べ物、好きな食べ方。認知症の人は味のしないものを嫌がる場合があるので、水やお茶よりもスープやジュース、スポーツドリンクで水分を摂取している、などです。
そして、最も工夫が求められるのが在宅です。居宅療養指導で管理栄養士の介入が決まっていれば別ですが、自宅で食事をみるのは家族やヘルパーが中心です。数値よりも、実生活に即した情報にアレンジしなくてはなりません。

 例えば、私が在宅訪問を行っていたときは、食形態は全てユニバーサルデザインフード(UDF)に変換していました。家族が介護食を購入する際に分かりやすいからです。さらに「舌でつぶせる」「歯ぐきでつぶせる」の物性をイメージできるよう、主食や主菜などについて、同一メニューを各分類に調整した写真も添えていました。
改定時にはおそらく、厚労省から情報提供内容のひな形が示されますが、決して収入のためだけの加算にならないよう、意味のある情報連携を望みます。

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