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石川県 2025年時点の介護人材充足率 全国トップ

石川県 2025年時点の介護人材充足率 全国トップ

 国が発表した2025年時点の介護人材の受給推計で、充足率が全国トップの石川県。基本計画に基づき、人材確保に対する様々な取組を行ってきた。同県の介護保険について、県庁を取材した。

【地域特性】

 石川県は地形的に縦に長く、介護保険・老人福祉圏域を北から能登北部、能登中部、石川中央、南加賀の4つに分けている。人口は約112万人と、日本の人口のおよそ1%程度で、面積や産業規模なども全国の1%が大体の目安となっている。65歳以上の高齢者の数はおよそ33万5000人で、高齢化率は30.3%、全国平均の29.1%と比べると若干高くなっている。

 ただ、圏域別でみると、能登北部の高齢化率が非常に高く、珠洲市52.2%、能登町51.4%、穴水町50.0%など、ほとんどの市町で人口の半数以上が高齢者という状況になっている。こうした地域の対策をいかに進めていくかが課題だ。

 高齢者人口に占める特養待機者の割合については、石川県が全国で3番目の低さになっているが、能登地域では高齢者数がすでにピークアウトしている。施設整備ではなく、地域密着型サービスや地域支援事業を充実させていくことが必要になる。

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【介護人材】

 国が発表した介護人材の受給推計では、2025年時点で石川県で必要となる介護職員の数は2万2451人とされている。それに対し、供給の見込みは2万2443人となっている。

 本県では、「石川県介護・福祉人材確保・養成基本計画」に基づき、これまでに様々な人材確保の取組を行ってきた。たとえば、介護・人材確保の拠点である「福サポいしかわ」を軸に、求職者の視点に立ったきめ細やかなマッチングを推進したり、未経験者の就労支援や外国人介護人材の受け入れ支援などを積極的に行ってきた。

 また、中学校・高校への「介護・福祉の仕事の魅力伝道師」の派遣などを通じて、将来の職業の選択肢に介護・福祉の仕事が選ばれるように働きかけたり、介護に関する知識・技能を競い合う「介護技能グランプリ」などを行う「いしかわ介護フェスタ」と呼ばれるイベントを開催し、介護分野全体のイメージアップを図ることなどにも注力してきた。本県の介護職員数は、2014年の約1万7500人が、最新の2020年には約2万人と増加しており、こうした様々な取り組みを重層的に実施してきたことが功を奏したのではないかと考えている。

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【認知症】

 県として取り組みを進めなければならない、大きな課題が認知症高齢者への対応だ。将来推計によると、石川県では2025年時点で、認知症高齢者の数は6万5000~7万人になると見込まれている。県の高齢者の5人に1人が認知症を有しているという数字だ。

 こうした状況の中、県では認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、医療体制や介護体制の充実、地域支援体制の整備などの施策を進めてきた。現在、石川県では地域の力を使った「見守り」にも力を注いでおり、見守り3事業として①地域見守りネットワーク②お達者ですか訪問事業③傾聴ボランティア――の3つの独自事業を実施している。

 ①地域見守りネットワークでは、県内の協力企業と協定を締結し、業務などで高齢者の家庭に出入りする際に普段と違った様子があれば、情報提供をしてもらったり、街の中で困っていれば声掛けをしたりするなど、地域でゆるやかに見守る活動をしている。

 また、「いしかわ認知症ハートフルサポート企業・団体」という認定事業も行い、社員教育などを通じて認知症に対する理解を深めてもらい、地域の見守りに協力してもらうネットワークの輪を広げる活動も行っている。

 ②お達者ですか訪問事業は、75歳以上で過去に1年間、医療や介護サービスの利用実績がなく健診の受診もない人を国保連のデータから抽出して、実際に訪問を行い、適切な支援につなげている。③傾聴ボランティアでは、不安を抱える一人暮らしの高齢者と向き合ってもらえるボランティアを育成し、高齢者の地域での孤立化を未然に防ぐようにしている。こうした事業をつなぎ合わせながら、安心して暮らせる地域の力を強化していく。

【介護予防】

 もう一つの柱が介護予防や健康づくり、生きがいづくりなどを推進して、健康寿命を延ばし、可能な限り要介護状態や重度化の防止を図っていくことだ。特に本県では、運動の習慣づくりを推進する観点から、高齢者を対象としたスポーツ大会「ゆーりんピック」を開催している。

 もともとは、2010年に「ねんりんピック」が石川県で開催されたことがきっかけであり、毎年5月を中心に県内各地でスポーツや文化の交流大会を実施するようになった。大会の名称の「ゆーりん」とは、本県の郷土の花である「クロユリ」からネーミングしており、参加者の方々に地域と世代を超えた交流を深めてもらい、元気の花を咲かせてほしいという思いを表現している。

 コロナの影響で3年ぶりの開催となった本年は、27競技、延べ6703人が参加した。本大会の開催を通じて、介護予防や健康づくり、生きがいづくりの推進のほか、地域における高齢者スポーツ、文化活動の促進につながるものと考えている。

 今後も地域包括ケアシステムの構築を推し進め、県内の高齢者がいつまでも健康で生きがいを持ち、安心して暮らせる社会を実現していきたい。

(シルバー産業新聞2022年9月10日号)

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